煉樺

まだ 幼い 私の中には
誰も 知らない
神様がいた
目を瞑るだけで
会いに来てくれる
「寂しくなんてないよ」と言って
安らぎをくれた
眠る前には おやすみと
優しく笑いかけてくれた
泣きたくなると...

輝いていた あの日と違う
もう戻れない日々を写した
硝子の中で響く音
反響した私の世界
聞こえない周波数に会わせて
歌い出すのは誰ですか？
嘆くことも忘れて
毎日を忙しく過ごすことで
何もかも 我慢している
そんな孤独な世界...

A
傷付いてる この心に
向けた刃 深く突き刺さり
小さな手で 傷を隠して
私を嫌いな 私に会おう
B
歪みきった この心に
与えた薬 それは毒
小さな身体が それを拒んで
私の嫌いな 私を殺す...

0から始まるいくつもの
無限の数字が 交差して
Aから始まるいくつもの
アルファベットが 埋めた隙間
打ち込まれたプログラム
動作を決められた私
自由がない 理由はない
従順な動作 忠実に動作
命令に正確 ………
このまま 決められた...

こことは違う場所
誰もいない場所
秘密基地の小さな扉
私の幸せの場所
心が殻を作る
割れないように
壊れないように
大切に包み込む
いつか誰かが
私の殻を破るなら...

存在感が 薄れていく
私の陰 消えて 見えない
居場所が 薄れていく
私の心 歪んで 壊れる
「まだ大丈夫」
なんて嘘をついた
本当は限界 心はガラクタ
いらないもの 不必要
「私はどこ」
自問自答...