はとこの投稿作品一覧
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白い階段が続いている
地下へ地下へと 続いている
そのずっと奥にあるものを
わたしは多分知っている
それは沼 いつか誰かが身を投げた
悲しい記憶が浮き沈み
珈琲色のやみの中
白い階段を降りてゆけない
しかくいランプが消えかけている
目をとじて 耳をすませば...白い階段
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遠回りして僕と遊戯(ゲーム)を
萎れた花に恵みの雨を
臆病な僕に赦しの蜜を
きみの綺麗な指で壊して
「誰でもよかったわけじゃない……」
甘い匂いと鍵の音
視界をよぎる鮮やかな赤
百年ぶりに かきたてられた
牙のありかを思い出せない
きみの悲鳴を聞きたくなくて...荊と狼
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「連休初日の朝ですね」ナンテ
みんなそうだと思うなよ!
今日も変わらず出勤するぜ
電車がすいてて嬉しいな
コンビニ スーパー ガソリンスタンド
デパート カラオケ 遊園地
こちとら今日から繁忙期
だけど給料変わらない
あぁ ゴーゴー ワーカーズ
「連休?何それ おいしいの?」ナンテ...GW~ゴーゴー!ワーカーズ
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アルバムの空と似た色 探し
淡く淡く絵の具を重ねて
強い風が 僕をかすめて
きみのいない春が来る
白い花びらだけ散り続ける
色褪せたまま 止まった世界で
伸ばした指先 きらめく虹
冷たく柔らかく降る
歩き出すだけが 明日(あす)を向くことじゃない
誰かのやさしさにふれても...早春賦~虹と約束~
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口もきけないくらい そんなによかったの?
手錠は外してあげる 目を閉じたままの君に触れるよ
味のしない蜜に慣らされて
重く濡れた翼で 飛ぶこともできない
繋がれてなどいないのに
記憶の底の檻が君を閉じ込める
何が欲しいのかさえ わからず惑う君
傷ついたふりをして つけ込むのは容易いことだけど
声にな...チェイン
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降り始めはひらりひらりと
積もれば白く視界を潰す
誰かがpurityと呼んだその色
溶けないように 祈る掌
遊び方を忘れた僕たちは
ただ白い景色に飽きるのも早くて
聞こえないのは誰の足音
ふたりのために塗り替えた世界で
汚してくのは誰の足跡
時は逝く 残酷に...モノクローム・スノウ(曲募集)
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「美しいことだな」と彼は皮肉げに呟く
足元では興奮して犬たちが吠える
「大丈夫、おやすみ」と彼女は目を細め囁く
なでる手つき 薔薇の造花 淋しいドレス
捕らえた指先から とけて消える流れ星
喪くしたことも知らない 思い出のよう
偽りの星屑をグラスに落とし
乾杯しよう
見知らぬ誰かの涙のために
口づ...淋しいドレス
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僕らがこの星に住み始めたころ
目に映る景色はどんなふうだったろう
僕らがこの星を知り始めたころ
吹く風はどんなふうに歌っただろう
裸足で立つ崖の上 遠く鳥がよぎる空
さぁ戻ろう 一番深い場所へ
何もかもをなくしても 残る場所へと
さぁ眠ろう 一番暗い場所で
涙はこぼれるままに 灯りともし眠ろう
僕ら...暁-landscape-(※曲をつけていただきました)
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久しぶりに晴れた 少し寒い日曜
コトコト煮込んで 色とりどり しあわせスープをつくろう
物置にしまって 知らないふりをした
大切な約束みたいな 野菜たちをとりだして
ラジオから聴こえる なつかしい歌
今どうしてるかな 覚えてるかな
ほら手が止まってる こぼれた涙
ごまかすみたいな みじん切りのたまね...しあわせスープ(応募用作品)
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カンテラを灯して
静かにただ 眠ろう
差し出されたてのひら
しんと冷えたぬくもり
遠いきみの声に
耳をすまし 眠ろう
今は 静かに
カンテラを灯して
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壊れたピアノが 音色を軋ませる
モノクロフィルムに ふいに色が戻る
仕方なくてさよならしたのね
今も時を止めたままなのね
笑っている いつもの私は
私じゃない
月のように追いかけてくるの
影のように離れられないの
全部 全部 捨てたはずなのに
忘れてたのに...水の色(応募用作品)
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からめた指をほどいたあとに
残るぬくもり 風がさらった
いつか来るサヨナラが わかっていたとしても
夢のようななんでもない日々 過ごしたのかなぁ
「僕の知ってるメロディ 全部きみにあげるよ」
秘密のポケットからあふれる虹
子供みたいに願うよ きみのしあわせだけを
ホームの端まで走ってさけんだ
うつむ...サヨナラメロディ(応募用作品)
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真っ白な空
綿のような灰色
春を待つ木々
幾度目かの梅の花
愛してるという言葉をつかうのは
もう やめにするね
真っ白な空
何もないスクリーン
冷えた指先
誰もいないような街...white【曲・イラスト募集】
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初めてたどりついたの こんな世界
風がしみて痛くって 目を閉じたの
あなたの声のほうへ 手の鳴るほうへ
ぽろぽろとこぼれる花びら 知らずに
行かないで(あなたの袖)
ここにいて(離さないで)
ふるえる指先 壊した時計
明日は来ないとささやく声
冷たい掌にあなたの熱
「約束ね」と言えないまま...サウザンド(応募用作品)
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目を閉じて聴く きみの声が
おだやかすぎて せつなくなる
いつも笑っているわたしだって
眠れない夜はあるの
はだしでそっと ベッドを降りる
窓の向こうに 昨日よりも欠けた月
夜が明けて魔法が解けたら消える道
だから 今きみに逢いにゆくよ
さみしい気持ちが星のように瞬くよ
はるか遠い道を照らす...応募用作品
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どこにいるの
水面に映る
過去と未来 扉(ドア)を探し
ここにいるの
忘れているの
光る糸で
繋ぐ昨日
聞こえる声
「わたしひとりを……」
からめた指...扉ーtomorebiー(応募作品)