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またしばらく仕事、ないんだろうな。
なぜか何もする気になれず、昼、自室でぼうっとしていると、マスターが突然部屋に入ってきた。
「マスターっ!?突然入ってこないでくださいよっ!」
「何か見られて困ることでもしてたのか?…鍵を開けといてるお前が悪い。」
「見られて困ること、って…」
「まぁそれは冗談だ。...デュエット ~KAITO side~ ②<Indigo Night Dream>
青蝶
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「めーちゃーん!」
仕事から戻ってきためーちゃんを見て、俺は話しかけた。
「何、何。どうした。」
「なんかねーグミちゃんと初デュエットだってー」
めーちゃんはきょとんとして、それから笑った。
「よかったじゃない。あんな人気の子とデュエットできて。あんたも幸せ者ねぇ。マスターとグミちゃんに感謝しなさい...デュエット ~KAITO side~ ①<Love Fruit>
青蝶
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誰にも愛されなかったし、誰を愛すこともなかった。
誰にも愛されないし、誰も愛さない。
俺のマフラーは、俺の首を常に守っているものだった。夏でも、服を着替える時でも。お風呂に入るとき以外、ずっと俺はマフラーをしていた。
それと同時に俺のマフラーは、いつでも俺が自分の命を断てる証だった。
その必要がなく...デュエット ~KAITO side~ zero
青蝶
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あたしは、その日夕食の後、カイトさんの部屋に行って、いろいろな話をした。
カイトさんの過去の話。あたしのデビューのきっかけ。今まで歌ってきた曲について。カイトさんのマフラーと、あたしのゴーグルの意味。
「カイトでいいよ。あと敬語つかわなくていいから。」
カイトさんは、しばらく話した後そう言ってくれた...デュエット ~GUMI side~ Finale
青蝶
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「…完璧だな。」
マスターはあたしの"Nightmare of You"を聞くとそう言って、あたしとカイトさんに次の曲の楽譜を渡した。
「ほら、これだ。俺が珍しく何日もかけて作った曲だぞ、ありがたく思えよな。これが成功したら、これから先デュエットは二人をメインにすることになると思う。」
「え!?ほん...デュエット ~GUMI side~ ③<Sweetest Fruit>
青蝶
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マスターに優しく肩を抱かれる。
「…どうした。次しばらく仕事ないから、マスターとしてじゃなく、一人の大人としてなら相談に乗れるぞ。」
マスターの何気ない優しさが、あたしの口を軽くした。
告って玉砕したこと、何て言われたか、を全てマスターにぶちまけると、気持ちが不思議とすっと楽になった。
「あー…あん...デュエット ~GUMI side~ Interlude 2<Nightmare of You>
青蝶
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「グミちゃん。」
「はいっ!」
次の朝、マスターに呼び止められた。
「これ。カイトと二人で歌う曲。明日までに音取りね。あとお昼ご飯食べ終わったら今日のグミちゃんの曲やるから。」
あたしは全力で頷いた。そして自分の部屋に戻ると、喉を痛めないように、声を出さずに思いっきりガッツポーズをした。
そして、初...デュエット ~GUMI side~ ①<Love Fruit>
青蝶
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二曲目の滑り出しも順調だった。
今度の曲は前回とは逆で、基本はカイトさんが主旋律で、あたしがハモリ。
歌詞も、大人の男の人の切ない恋愛で、性的描写もいくつかある。
カイトさんの声は相変わらずよく伸びるし響くし、あたしも、自分で成長してるという実感はわかなかったけれど、カイトさんやマスターに褒められた...デュエット ~GUMI side~ ②<Indigo Night Dream>
青蝶