作品一覧
その他
オンガク
月を / VY1
夜
僕はある晩、屋上に呼び出された。 名前も知らない彼女は、いじめを受けていると言った。 「どうして僕に?」 そう聞けば「別に。」と答えた。 そして落書きだらけの生ぬるい上靴を僕に投げると、高いフェンスをよじ登り、端に立った。 そして「見ていて。私、月を食べるから。」といなくなった。 それからしばらくして、細い香のにおいを嗅ぎながら、彼女の寝顔を見ることとなった。 僕以外では彼女の家族と、担任の先生だけがそこに並んでいた。 顔も身体も損傷がひどい。 そう先生は泣いていたけれど、僕には真っ黒で何も見えなかった。 あのときの上履きを彼女の胸の上にそっと置けば、金色の瞳が僕を捕らえた。 思わずのけぞったが、彼女は起き上がらなかった。 そういえば、僕はあの日から月を見ていない。 曲:M-8g 歌:VY1
歌詞・カードジャケット作品1
堕ちていく、朽ちていく 流れていく、爛れていく 汚れた靴を僕に投げ 落ちていく、朽ちていく 流れていく、溺れていく 真夜中の海の底へ。 堕ちていく、朽ちていく 流れていく、爛れていく 星すら見えない路も 落ちていく、朽ちていく...