堕ちていく、朽ちていく
流れていく、爛れていく
汚れた靴を僕に投げ
落ちていく、朽ちていく
流れていく、溺れていく
真夜中の海の底へ。
堕ちていく、朽ちていく
流れていく、爛れていく
星すら見えない路も
落ちていく、朽ちていく
流れていく、溺れていく
ポケットの中に沈んだ
堕ちていく、朽ちていく
流れていく、爛れていく
夜のばけものは、喰らった。
落ちていく、朽ちていく
流れていく、溺れていく
黒い骸を隠すように
堕ちていく、朽ちていく
流れていく、爛れていく
名前も知らない月を
落ちていく。朽ちていく。
流れていく。消えていく。
あの日、あなたは確かに……__
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月を / VY1
僕はある晩、屋上に呼び出された。
名前も知らない彼女は、いじめを受けていると言った。
「どうして僕に?」
そう聞けば「別に。」と答えた。
そして落書きだらけの生ぬるい上靴を僕に投げると、高いフェンスをよじ登り、端に立った。
そして「見ていて。私、月を食べるから。」といなくなった。
それからしばらくして、細い香のにおいを嗅ぎながら、彼女の寝顔を見ることとなった。
僕以外では彼女の家族と、担任の先生だけがそこに並んでいた。
顔も身体も損傷がひどい。
そう先生は泣いていたけれど、僕には真っ黒で何も見えなかった。
あのときの上履きを彼女の胸の上にそっと置けば、金色の瞳が僕を捕らえた。
思わずのけぞったが、彼女は起き上がらなかった。
そういえば、僕はあの日から月を見ていない。
曲:M-8g
歌:VY1
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