タグ:緋惺
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レンズ1枚の 距離を数えては
自然色の風 翔けてく
真昼の片隅 ぼんやり滲んでた
半分の月は わたしによく似てる
lazy, frame in 離れていても
変わらないもの探すの
答えはすぐ隣にある
生き急ぐことないわ
レンズ1枚の 距離に近づけば
鴾羽色になる 日常...frame in the SEKAI
MOLNA
微睡みの間(あわい)に
愛し君の影を見る
覚めれば淡い雪
春待ちの枝に揺れて
「新たな花の
咲く頃は
何れこの恋も
消え行く」と
告げた声が
密やかに絡めた指が...淡雪の花(あわゆきのはな)
ころもち
人のいないホームには 冬の冷気がよく通る
黄色い線の向こう側こそ 私の居場所かも、なんてね
「ワタシキレイ?」と聞けるならば 初めから隠しはしないわ
口元に白く覆うのは 素顔? 晒せない本性?
小さく吐いたため息は マスクの内を温めて
泣いてないわ そう 睫毛の上の 雪が溶けただけだもの
ねぇ あな...マスク依存少女
倒錯人類
見下すは 続く平屋の格子戸の
相も変わらず 閑静なる町屋なりて
にわか雨過ぎて ひたひたの石畳
行き交うは 浅葱 黒出目 あと六鱗(ろくりん)
召かした和金 揺れる袖は鰭(ひれ)
一匹、二匹、と 泳ぎ往く和金は
見飽きた景色 飽きたりし色
ふと変えたるは 一瞬の事で
鮮やかなる 召し物 簪 京の紅
...猩々の君
星野慎一郎
夏は末 名残る暑さの 境内や
見上げし空は青 思ひ浮かぶるは
稲海の中 陽炎のやうなる君の事
もろともに遊びし あの夏を
私のことを 覚えたり?
すぎし日の事を 思ひ出し
ただただ一人 慰むる
夏は半(なか) 干からびるやうな 炎陽(えんよう)や
くぐる鳥居は朱(あか) そこに続くるは...晩夏(仮)
星野慎一郎