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古い本に出てきた主人公
名前は思い出せない
英雄になった彼は「この世は美しい」と謳った
炎が消える瞬間(とき)の感覚を
感情を 痛みを 傷を
英雄になった彼はこの先ずっと知らないでいる
夢から覚めた
頭の中にはまだ靄がかかっていて
服に染み付いたコーヒーの匂いが
私を現実と繋いでいてくれる...靄
ひぃろ
鏡に映る私 茜色の空
一人の少女が泣いていた
明日が来るのが怖いの そう言って泣いて
うずくまるのは私だった
なんで まだ
うまく笑えない
何も怖くなんかないと 手を伸ばすけど
触れられそうな距離で消えた
なんで また
下を向いてるの...茜
ひぃろ
雑に広げた教科書に
生き方なんて書いてない
チョークで語る先生に
本当の僕は分からない
あの日見た夢は帰らない
ただありふれた1日の
何気ないこの思い出は
悲しくて 嬉しくて 切なくて
人を傷つけてまで幸せなんて
ひとりで自分を責めないで...君が見上げた空は
ひぃろ
後ろから2番目の左側
窓にぴたっとおでこをくっつけて
ただ外を眺める 頭ん中は空っぽさ
走り去っていく 家とか、ビルとか
疲れたサラリーマンとか
楽しそうなJKとか
イヤホンから漏れる音も いつもと同じ
顔色変えずに追いかけてくる夕日
無理すんなって、少し速度落としなよ
見慣れたこの色 この景色...マイペース
ひぃろ