タグ「オリジナル」のついた投稿作品一覧（68）

きみの家の子ども達は みんな花の名前がつくんだ
確かきみも名前の通り とてもきれいで とても澄んでいた
記憶の中のきみはいつも僕に笑いかけるよ
夏の空に映えていて 風が僕らを吹き抜けるの
飛んでいった麦の きみは帽子を拾いあげて
ついた砂を払って きみは僕に手で差し出すの
水彩画が滲むかのように き...

最近あんまり君は顔色が優れていないね
仕事のことが頭の側から離れないんだ
君は不自然な時間に目覚めて電車に乗って
違和感の残る時間に帰って少し眠る
同じ時間に起きて帰りは分からない
繰り返される螺旋
夢の中でおやすみ
踊るヘッドライトが
数秒先の暗闇を照らすよ
日々のサイクルの...

街の古い屋敷 人が越したらしい
そこに住む子供は
僕らと同じ歳で
よくは知らないのに
皆の注目の的
どんな子なんだろう？
友だちになりたがってる
君もそんな感じなの？
親の都合で此処を発ち
君は移り住んだ...

都会で路を聞く人
誰も足を止めはしない
構う余裕がない世界で
僕も話しかけなかった
嫌いな人が居ないんじゃない
他人に興味がないだけ
目を隠して耳を覆って
知らなかったフリで
無機質で灰色の世界で
僕らは生きてるの...

僕は現実を誤魔化して逃げるよ
歩けないときは休んだほうがいい
目と耳は飾りなんかじゃ無いから
いつまでも逃げられやしないんだから
深い青空 でも今日はお天気雨
突然舞い降りた水滴を前に
雨宿りしながら溜息つく僕
その横を子供が駆けていく
エアベンダー その子は
ハレルヤ 叫んだ...

「僕らずっと一緒だ」と
君は言ってくれたでしょう？
約束は守られるために
あるのは理解している？
ソウルメイトが出来たと
君は喜んでいる
趣味や人生の哲学
時事の関心 好きなタイプ
全部知っているよ
君の携帯電話...

劇場で僕は一人
客席は誰もいない
戻り出す砂時計
記憶が蘇るの
壇上を歩く君は
劇の世界の他人
客席で座る僕と
目が合ったの「でも君はだれ？」
舞台上の君と目が合う
君は劇の役になりきる...