カスパル

抱きしめた
小さいあなたはやわらかくて
長い髪のシャンプーのにおい
大切なあなたを　
たしかに「感じた」
あなたは何を感じてる？
その紫の瞳で
きっとわたしは　プラスチックで
かわいいあなたを傷つけてるかな
機械の世界で　あなたはひとり...

だめかもしれない
最後に伝えたい言葉も
届くはずもない
そんなボクをキミは
冷たい青い眼でみつめる
キミがいるのは下りのバス停
道路の反対側
ねえ　笑ってよ
もう　立ってることすら辛いんだ
手遅れなの...

いつもルーズなあの子
今日も３０分遅刻
苛立つあたしを目の前にして
腰をかがめて
両手を合わせて　こういった
「ワタシＢ型だから」
それがなに？
全てはあなたが決めたこと
血は何も教えてくれないし
何も指図なんかしない...

カメラと録音機を持って
白のワゴンに乗り
その場所に着いた
周りはどこまでいっても大麦畑
ホントにそんなものがあるの？ときくと
彼は建物を指さす
とても小さな　白亜の研究所
色々な肌の色をした白衣の人々
コーヒー片手に談笑中
黄色いヘルメットの人たちは...

テレビの中でアイツが言ってる
「みなさん　来年は恐ろしい年になります　私を信じれば助かります」
でもそれはすべてアイツの夢の中の話
台風？　地震？　宇宙人？
みんな戸惑う
９９年？　００年？　１２年？
みんなざわめく
……なんのために？
先のことなんてわからない
怖がることもない...