麦風ラタンの投稿作品一覧
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なんの気なしに聴いてた歌
気がついたらどはまり
なんてこともたびたび
海が見える町に行こうよ
春の風ひと回り
トンビが道案内するから
斜めに見慣れた地図を真っ直ぐに
直して見てたら
そういきなり
君がめっちゃキレイに見えた...港町
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春の風に
飛ばされてた
皆勤賞もらいたくて
出席し続けた授業
みたいな恋だった
あなたに
気づかれずに
今
春の風に
飛ばされてた...ネモフィラ
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さらさら 笹の葉はほんとに
願い事叶えてくれるのかな そういえば
さらさら リンスした髪の毛
そよ風に揺れてさ きれいだったな
一晩中ほら あの星は光ってる
一晩中ほら あの星はきれいだな
ああ 眠れないもんだから
こんなふうに 窓開けたんだ
ああ 忘れないもんだから
こんなふうに 泣いてるんだ...アルタイル
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忘れればいいんでしょ?
忘れられたらいいんでしょ?
かばんに落書き
こんなとこに書くかな?
風が強い日の午後
文房具屋さんのはす向かい
いつもの帰り道
砂ぼこり舞い散る
なんかね目が痛いけど
大丈夫だから...砂ぼこり
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ほら まただ さよならだ 雪の花びら
ほら 私 消えたいよ 消えたい 消えたい
あなたが言ってた 言葉の意味も
なんだか知ってた 不安で泣いた
もし冬が寒くなかったら
白い花が窓に咲くのかな
もし冬が寒くなかったら
ずっとそばにいてくれたのかな
ほら 溶けた 指先に 雪の花びら
ガス燈の明かりだけ...ペルスネージュ
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きらめく風 春が微笑むような
優しい光が二人を包みこんで
桜の花 祝福を浴びながら
私が夢見た二人の物語が始まる
そんな日の歌
好きだった 何もかも
喉の曲線も 髪の色も うなずく仕草も
卒業の日の朝に
始まりの合図 そう信じてチャイムを聴いてた
ずっと遠くで見てた そんなのが嫌だった...はじまりのうた
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流れ星を見つけたよ でもムリだね3回とか
願い事は そんな短く言えないから
もしも君に会えたなら たまに思い描くけれど
君の前じゃ 1回だって言えないのさ
どきどきする ふわふわする
これはそう つまり
恋に恋してるとかじゃないんだってば
Read me! ねえ気付いて
私の心の中の言葉に
Read...README!
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意味なんてないよ 君の薬指が
夏雲の先 遠く 呼ぶ気がした
シトロンの香り 手をつないでいてよ
風に吹かれる 時間 止めてほしい
愛されるよりも 愛なんていうそんな言葉じゃなくて
そんなのよりずっと切ない
もし5分先の 世界がそこで全部終わるとしたら
このままならそれでいいかな
ラベンダーブルーの空...ラベンダーブルー
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疑ってばかりじゃ疲れるでしょう
夜が水に濡れたように沈む
ライラックの花がその窓辺で白く散っては
投射して見せたいつかの横顔
エスプレッソの香りがまだ残るカップのレリーフ
ここにいたのは私じゃなく
そうあなたでもなくて
モナリザの微笑みが作り出した悲しいお伽話みたいなものだった
一人きり踊る
きし...モナリザ
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そばにいても 気づかない
鏡越しの 二人なら
すれ違い
笑うときは 悲しくて
泣いたときは 嬉しくて
もう一度
笑顔のまま 抱き締めてよ
ふざけながら 泣きたい...亜シンメトリー
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走馬灯の夢
鳴り響くチャペルの鐘
コバルトの空 たたずむサンタルチアに
赤い月が影を落とす
駆け抜ける 迷路の中で
同じ場所 ぐるぐる回るように
手のひらの中 ワインをくゆらせながら
あなたの声 思い出してみる
シグナルが 青から黄色へと
ゆらゆらゆらめいて 水面に映る...Venetian Glass
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君の弾くピアノの音が 白い雪になって
テーブルの蝋燭の火を 淡く揺らしてる
こんな静かな夜 何も言わず 君を見つめているよ
泣き笑いしては 過ぎていくこの日々が
愛しくて悲しくて
いつもときめいてる 君は僕の憧れの人だからね
僕の作るシチューの味 少ししょっぱくても
フランスパンと一緒なら 平気と頬...赤ぶどうジュース
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ため息が金色 揺れて かもめの気配
あぶく
コバルトの優しさが 咳払いで 影に散ったの
翳む光
あなたの夢、見た、それは世界
続く不条理が 頬を掠め、切る
あなたの夢、続いた、声も聞こえた
彼方に水晶の時 抱きしめた、あぶく
ため息が揺れる 泳いで流れ着いた
闇の中、見る、ここにもある ...AQUAMOTION
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空に浮かんだ 真綿のような
どこにも行けずに ふわりと
海に沈んだ 小石のような
どこにも行けずに ぽつりと
やりたいことが 見つからなくて
焦る気持ち 晴れた午後
mp3の 曲の中だけ
希望なんて 歌ってる
さなぎの中から 抜け出せるのかな
コーヒーの湯気が 優しい...さなぎ
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困ったときの呪文は なぜかレモネードの味
曲がった先の向かいで 青空が見えるの
やっぱツイッターだけじゃだめかな 今日も寝不足の路地
止まったままの時計が からからと笑うの
あなたからの着信が 鳴った気がして
なことあるわけないのにね 画面無表示
5ミリ切った前髪も 誰も気づかない
だけど気にし...レモネード行進
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君の髪揺れ かすかな風ひやりと
待宵草に 息を止める
あれは蜃気楼か あれは淡い狐火か
私が見たものは ただゆらゆら 浮かんだ
歌えば 手を伸ばせば そこにある 君の体温
何かが はじけたのは 雲流れ 素足 夏の終わりに
(君の髪揺れ)あ、そばにいた
(かすかな風ひやりと)あ、君を見てた
(待宵草に...待宵草
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帰り道 見つけた 松の実は 琥珀色
二人きり歩いた 朱色の夕焼け空
好きだよと 言えたら 一緒にと 言えたなら
そんな思いは 秋風に飛んだ
遠くへ行くあなたへ ふわりとまる その赤蜻蛉
ふわふわあなたの心に とまれなくて ただよう私
せめてあなたを 見つめるだけで
焦がれそうな思い 胸に隠してたのに...秋空、あかねいろ
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ミルクティーは初恋の香り
そしてほんのり苦くて
綿雪がふわふわ 街路樹に止まった
君の頬 赤くて 白い手で冷ましてた
青いマフラーと白いコートで
子どもみたいに笑っていたね
僕の知らない 花の名前を
得意げに数え歩いてた
ミルクティーは あたたかな甘み
指で描く 恋占い...ミルクティーは初恋の香り
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冬の夜空 見上げたまま
白いため息つく 僕は
何千回 繰り返して
いつか軌道からも それた
呼吸をしてたから
なんとかたどり着いた奇跡
それは青いガラス玉で
ニセモノの世界にも
弱い光を放つ
僕はそれを温めていた...ラピスラズリ
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ここでいつか それをどうか
何も言わずに 駆け昇った虹
雨の粒が 足の指が
夕立 きらめいた夏に
草の匂い 君ばかりを見ていたら
凛と光る あれはカシオペア座
ここにはない ただ 遠くまで 遠くまで
ふわり 消えた幻
気遣うように 君の紡ぐ言葉が
聴きたくないよ もう少しだけでいい...Faraway
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つないだ右手の 淡いぬくもり
夏の木漏れ日に まぶたを伏せた
苦しんで ようやく辿り着いた
答えに向かって 君は歩く
夢を描く足取りさえ 眩しすぎてただ私は
ああ なんにも できない
小さな駅舎の 白い壁から
思い出に変わる ベルの音響く
鳥かごの 中に二人はいたの
本当は自由に 飛んでゆける...なにもできない
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大地に降り注ぐ 満天の星の光
ひざまずく私を 静かに包む
遠くの山並みは たなびく漆黒のベール
聞こえない祈りが聞こえる
書き直す暦は 金星蝕のあくる日
夏至の日の太陽が 沈むあたり
手に取った小石に しみついた砂漠の風
幼い日に見つけた香り
見上げた 星空から 幾千の 星座がほら
麻布の服で すく...nasca~はるかな地上絵
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8月の 雨に打たれて
バス停の 先を見つめる
今ごろ君は何を 思っているのかな
ありふれた恋ひとつ はじける
聴こえない言葉で いつも君に 叫んでたけれど
君には届かずに 冷えたままで 落ちていたんだね
ひまわりの 緑の葉には
大粒の 涙あふれて
時計戻せるのなら ねじが切れるほどに
巻き上げてさ...8月の雨
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指でくるくるしてた 髪先
実はどきどきしてた ゆらめき
何気ないひと言も 口先
意味をほら探してる ひととき
制服のスカーフ揺れて
でも 気づかれたくないから
赤いゼラニウム
恋するふわふわ
めんどくさくて困る
それでも少し泳がせて...ゼラニウム
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さっきの世迷を どっか透かして見てる 水無月の夜
突起で傷つく ずっと疑いながら 信じてもみる
優しい昼下がりが とばりを下ろすよ
私独りきり笑むの
彩る舞いあがりが 最期を照らすよ
私灯りさえ飲むの
散ってはひらりと いっそ葉蔭に朽ちる アイリスの夜
だってねレモンで そっと絞ってみせる そんな尖...アイリスの夜
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風見鶏の まなざしのように 優しく
春の雨が すくんだ肌を濡らす昨日
わからないことは 目をふさいで
丸暗記してた 世界の隅で
僕と踊ろうよ 満月 銀の光に揺られて
アマリリス 失う間際のキス 白い鳥が笑う
そんな浅い夢の中で
何かの色? 思い出せず 愛が失せる
紅茶の葉に にじんだ角砂糖が ひとつ...アマリリス