Naruの投稿作品一覧
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足のない君に長靴をあげる
真っ赤なリボン
そのまま明日を踏みつけてみせて
怖がらないで
君の犬がいつか死んでしまうこと
知らなくても変わりはしない
口の中の角砂糖が溶けてしまう
白いシーツに隠れた
ピアノの鐘を目印にしていたのに
熟れた耳を引きちぎる...風化した花束
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子供の手を引くママの歌声が優しく響く
きれいな夢を見た
白い夕焼けが切り取ってみせた永遠の影
ママの手を引く私
いつの日か全て灰に変わるように
消えてしまうの
そしてあなたを包み込み
このまま太陽に焦がされ消える
古い童話で聞いたこと
届かない正義を振り上げてみても...TIMESCAPE
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小さな足跡ひとつ
色付く夜明けの未来
このまま夢の中で泳ごうか
飛沫をあげるソーダのプリズム
ゆらゆら揺れて気付いたんだ
甘い香りの潮騒に溺れて眠った
柔らかなその頬に触れて
優しい夢を見ていたい
季節を数えて
乾いた風が足早に駆けて行く...seaside cocktail
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生まれ落ちたぬくもりさえ溶けて
手を伸ばす 薄れる記憶
重なる影 手を繋ぐ幼い声
帰れずに 車輪の下
あの日が見た思い出は瓦礫へと
霞んでゆく
灰に変わるあなたをはせるように
巡ってゆく
同じ星の真下で泡になる
永遠の愛 笑う 嘘...アムネシアは祈る
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Shorea robusta
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色のない水槽で泳ぐ心臓
無重力がコンパスを隠していく
この傷はまだ癒えない
この夢はまだ醒めない
だから静かにたゆたう君の歌を
忘れないように刻んだ
どうか明日をなくしてしまわないで
歩き出す光見せて
優しすぎた日々に想いを寄せて
時計の音が聴こえなくなった...Shorea robusta
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ミネルヴァの梟(off vocal)
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幼いその瞳に映るさよならと現実
夜が忘れさせた
少女は娼婦になった
消えてしまう前に
死んでしまう前に
汚い言葉で壊して、痛みで私を
優しい言葉はいらない
私の命を私に見せて
柔肌を差し出して、夜が明け札束になる
消えてしまう前に...ミネルヴァの梟
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ブランコの少女(off vocal)
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風を切る 鉄の熱 君の声が響いた
揺れる街 軋む鉄 耳を刺す笑い声
ビルに囲まれた子供たちの国
変わらない夢を見る
ここを出て君は今どこで何をしてるの?
背は伸びて髪も結い
白いシャツに着替えて
変わらないものがどこにあるのかって
誰もまだ見つけられない
季節が移り雨に滲んでもこの場所で...ブランコの少女
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帷(off vocal)
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さあ、あなたはまだ
赤い鳥籠さえ
変えられずにいて
バカな人形だわ
そう、無意味な服
その身に纏って
利口なふりをする
バカな人形だわ
広がる世界と小さな音
錆びた車輪の下で眠ろう...帷
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優しすぎた日々(off vocal)
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不器用な生き方で子供みたいね
なのに真っ直ぐな言葉が胸に刺さる
思い出が私を殺すように
時間が体温を奪い去っていく
光の海 回る宝石箱 夜のアーチ
潜り抜けたら
優しく照らされた朝に溶けていくように
窓の向こうの日常に惹かれ消えた
木枯らしの季節に結いた
二人の手そのままでいたら良かったのに...優しすぎた日々
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鏡面の街(off vocal)
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甘いオレンジの飴が溶けてなくなってしまう前に
この街の灯りを消して
そこに映る君だけが真実だから
目を閉じ耳を塞ぐ
それでも鳴り響く
都合のいい嘘と電子の波の音
記憶の中の未来はきっと
美しく穢れのない夜に包まれている
ブリキの人形たちが目の前の紛い物へと群がる
この街の灯りを消して...鏡面の街
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staying is fallen(off vocal)
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回想録を覗いた両の眼は無感情に
一筆書きで残した罪を見つめる
空白ができないように両の手は無防備に
こぼれだした理由を必死に掬い取る
雨は溶けて空はオレンジに色付いた
やがて途切れた景色がまた目の前に広がるなら
乾いた僕の吐息すらも形に残してくれるかな
正解も不正解もない世界から飛び立てば
与えられ...staying is fallen
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オーロラの見える墓標から(off vocal)
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消えそうで 泣きそうな
この世界は美しい
幻想は 戦争に
血液に雪が積もる
僕たちはそうやって生きてきた
回想を 探そうと
まぶたの裏を見る
映像は そうそうと
変わってゆく人を映す
僕たちはそうやって生きてきた...オーロラの見える墓標から
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青白い雨 傘を叩く
水彩の城 人はいない
手を伸ばしたら陽が射したの
紅茶の底 月がいたんだ
その水槽を返して 傘をあげる
見つけたものは全部 雲の向こう
青白い雨 靴を濡らす
冷めた指先 君はいない
その水槽を返して 傘をあげる
逆さになった空は僕を放つ...手のひらの水槽
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この血に深く刻まれた
約束 今も変わらずに
大地は枯れた花を見た
生まれた姿そのままに
灼け付く喉を噛み締めながら
求めたのは五枚の旗
繋がれた鎖がゆらゆらたゆたう
鼓動は強く手を伸ばして
暗く深い子宮の海から
空を穿つ産声を上げた...Lebensborn
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鮮やかな螺旋の海
晴れ渡るゆりかごから
羽根は鉄 落ちてゆく
意志のない人の群れ
祈り 願い 思想
痛み 眩暈 他人
行方 霞み 絶える徒花
(沈んで 沈んで 沈んで 沈んで)
羽根は鉄 落ちてゆく
意志のない人の群れ...旋回
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さよなら
水面には私がいた空
おやすみ
このまま波に融けていく
さよなら
手のひらにあなたのいた灰
おやすみ
このまま風にさらわれて
手を伸ばして声を上げた
もう届かないこと 知っていた...幻想と海の境界
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同じ空のもとで笑う
君の声は届かない
迷子になってしまった願い
空に溶けて消えていく
焼けただれた教会で
子供だった猫が鳴いた
もう一度だけ聴かせてよ
さよならでもいいから
迷子のまま歩いている
君の言葉 思い出せないままで...ルチアの祭壇
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過去に閉じ込めたままの夢を抱きしめて
祈り続けたモノクロの花
鮮やかなままで
未来へと続く迷路に立ち尽くして
問いかけた答えのない明日へ歩いていく
悲しみも愛しさも背負う生命体の光
微かでも溢れゆく無力な叫び
有限の海にたゆたうままに
さらわれてゆく君を掴めはしないだろう
積み上げられた時の代償は...憧憬