蒼月海

【囚われ夢の森の姫】
深い眠りの海に沈み乍ら
私は喘ぐように息をする
貴方の声が聴こえたら
繰り返し視る此の夢の始まり。
貴方に伸ばすこの腕は茨
貴方を傷付けては紅い薔薇を咲かせる
何度も貴方を傷付ける私
何度貴方を喪うのでしょう
お願い...

エンジェルダスト
指先に弾けて消える　不透明なお砂糖
紫のウサギが見てる　半透明な満月
　
ガラスの目玉の緑の鼓笛隊の
奏でるリズムで
さぁ
此処から抜け出そうか！
もっと歌わせて！
もっと笑わせて！...

【La sirenetta】
私の世界は貴方だけで
貴方の世界には私は居なくて
この想いを伝える声も無くて
緩やかに泡となり消えていく
貴方の世界ではうまく息が出来なかった
私の世界ではうまく笑えなかった
初めから何も無い方が良かったねなんて
消えながら小さく笑って
さようなら...

終わりの日
嗚呼もう嫌だ
君の眼に沢山の花を活けました、
僕の眼に沢山の魚を飼いました。
ぎゃあぎゃあ喚いて頭を啄ばむ鳥達を、
残らず撃ち殺してやりました。
もう嫌だもういやだもうイヤだ。
世界が壊れて行くよ。
君も壊れていくよ。
僕が壊していくよ。...

ハルコイウタ
春の風が私に告げる
この想いは淡く色づいて
静かに静かに花開く
この夜の空に
長い冬が終わりを告げる
私は漸く息をする
君の元へ迎えるように
この空に手を広げてみるの
ずっと待っていました...

Honey Sweet
さぁ窓を開けてみましょう
春の風が吹いてきたのなら
あなたに逢いに行きましょう
甘いもの持って
柔らかな日差し
暖かい風
穏やかな時間
恋の唄
鳥達が歌い...

霞桜
降り出した雨に
花は落ちて
僕の上に降り注ぐ　
ただそれが・・・
それだけが
苦しくて目を閉じた
いつの日か
夢見てた
君が傍で笑ってくれると...

でじたるそんぐ
きみにつたえたいから
このおもいをのせるよ
とどけ　わたしのうたごえ
とおくはなれたこのおもい
ぷらすから　まいなすにかわるように
すぐにかわってくから
だいじょうぶだよ
なかないよ　まけないよ
あなたがすきだから...

夢桜
風花舞う
桜のように
私から貴方を攫って
白一色に染め上げた空
私の声だけが響いて
貴方が消えて
どれほどの時間が経ったのかしら
あの日から私はずっとこの場所で　
貴方を待っているのに...

海底
目の前には
届かなくなった蒼
もう二度と見ることもない
僕は墜ちて
沈み続ける　この蒼色に　　
誰か
タスケテ（しかしその声は決して、誰にも聞こえずに水の音に飲まれる）
冷たく滲んでいく
伸ばした指の先の...

水面
雨が降り出して
どれくらい経つかな
傘を伝う雫（あめ）
まるで僕の涙
晴れた空に消えてく君の背中を見た
伸ばした手はいつも届かない
嫌だ　おいていかないで
まだ伝えてない
この声、届けたいよ...

高い空を見て
矢っ張り哀しくなりました
濁った色の歪な羽根（其れは非常に矮小で、見苦しい。汚い。）を持つ僕は
空に嫌われていた様でした。
見上げるだけの僕は、とても小さな存在で。
どれだけ頑張っても此の手は届きませんでした。
羽ばたいても羽ばたいても
其れ等は総て無意味でした。
届かないのは解って居...