タグ「改変自由」のついた投稿作品一覧(17)
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凍みる夜に片敷く寒衣 灯る雪灯篭かぞえ
鷹の羽 塒に落ちて 幾夜寝覚めたのだろう
思いのまま咲く花だけを 愛でる花盗人が過ぐ
月の宮 咲けど徒花 響く関守の調べ
この身は飛び立てぬ千鳥
寄り添う鴛鴦を ただ羨む
花よ 空へ咲く花
その名を問えば 消えるだろうか
白く 無垢な身のまま
君に出逢えていた...梅香(ばいこう)
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夢に見た 美しい光景
青い空 まぶしい日射し
ひらひらと 無数の極彩色
舞い上がる
あたしもいつか 羽をまとって
太陽に届きそうな場所まで
だけど遠いよ とても遠くて
くじけそうになる
卑小な夢
張り巡る 蜘蛛みたいな罠...芋虫
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明日になれば 忘れてるかな
ここにいた事 なくなるかな
明日になれば 死んでいるかな
ここにいる事 なくなるかな
ねえ だれのこと
体の奥で萎縮した内臓の刺激
冷たい夜の温度を抱きしめる
見上げた空に嘲笑す真丸の悲劇
儚い人の最上級の怨恨をこめて
いのる...whoever
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優しい夜風 吹き抜けて
火照るその頬を冷やした
ふわりと歩く君の後
思い出がぽろりこぼれる
過ごした日々 指を折って
ずっと友達でいようね
そうだねってひとつ頷いた
こんなに月がきれいだから
泣いてしまいそうになるよ
ねえ 僕は笑えてるかな...月のきれいな夜だから
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握り潰した傷痕から
流れる血は白い
何色もない心の上
気付かれずに溢れ
差し出した腕を 抱いてくれる人もいないのに
回る 回る メリーゴーランド
寂しい冬の街を浮かべて
巡る 巡る 無情な運命を
不思議に ただ 眺めていた
泣き出した子に叫びはなく...死にうかぶ哀色をまち
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身を焦がすほどの想いを知らなくて
太陽を知らない幼虫のように
熱を遠ざける心に射し込んだ
一筋の光があなたでした
抱きしめる事もできなくて
ただ月夜 空へ問いかけた
初めての焦燥に切なく揺れる
腕には空蝉
一度だけ 愛せたら と
夏を彩るは、はかない蝉時雨...空蝉 (うつせみ)
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カーテンを揺らす涼風に 胸がつまる
まだ届きそうな空の色 ほっと息をついた
気付けば日は暮れていて 暗い道も構わずに
はしゃいでた 何がなくても楽しかった
歩けば汗ばむ熱は 記憶と同じ温度で
思い出す 強い日差しの中笑った 懐かしい日々
儚いほど 色褪せて見える 昨日までの居場所
降り注ぐ 蝉時雨も...夏の終わり
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冷たい場所に立っていた
そこにはすべてあったけど
欲しいものだけなくて 目を閉じた
冷たい音を聞いていた
あらゆるものを作り出す
欲しい音わからずに 目を開けた
君がいた
僕がいた
最後のピースを埋めるように
しっかりと手を繋いで...Last Piece
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憂鬱をこねて広げたら
雨傘になった木曜日
曇天の明度 丁度いい
あと二日が我慢できない
さよなら おはよう 猫に挨拶
なぁお前、今日だけ、俺と交換してみないか?
人間だって悪くないさ たまになるなら最高だ
代わり映えのない毎日に
ちょっと疲れただけなんだ Hello?
諦観をきどり歩いたら...Hello
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僕らは明日に向かって歩いてる
肩ごしの風が 別れを告げた
見上げた空の 見え方ひとつさえ
違って見えた 新しい季節
ふわり 届いた 知らない香り
懐かしい風が吹く
どこか 覚えのある心持ち
足取り軽くなる
そっと まぶた閉じて 胸を膨らませた
きっと 素敵な日々が 待っていると信じられるよ...季節がたみ
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私の片腕をあげませう
足りないのなら もうひとつ
甘く細い白魚に
束の間の夢を見なさい
私の片足をあげませう
足りないのなら もうひとつ
若くしなる羚羊に
馨しい夢を見なさい
何れ程 上手く 偽れど
成り代われぬ 愛しき痛み...片腕
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ねえ 今日地獄を見てきたの
逃げまどう悲しみに
鬼達は幸せそうだった
いつか私もあんなふうに
泣け叫ぶ日が来るのだろうか
それとも 誰かの
痛みをほふるの
すべては小さな林檎の中
初めて心が脈打った
すべてを失くした あの日のまま...ロスト・エデン
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汚い自分に愛想をつかした
所詮 俺らは心の切り売り
あぁ この気持ちを 何て言うんだろう
くだらぬ世界にずっと流され
不満不平も特にはないけど
あぁ この先には 何があるんだろう
溢れ出した何かのカケラたち
これを涙というのだろうか
わけも知れず流れる歌がある
これを心というのだろうか...心のカケラ
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また長い一日が終わり
君はちょっと無口になった
昨日の終わりは今日の始まり
今日が終れば 明日は来るの?
反証がない事が証拠だと言い切れない
そんな矛盾も 愛しさ
透明人間なんじゃないかって
たまに疑ってしまうよ
アスファルトには足跡もないから
君が与えた痛みだけが...アイデンティティ
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風が泣く 雲が往く
この胸は震えている
耐え切れぬ 悲しみに
川面さえ紅涙に染まる
散っては咲く花は
知っているのだろうか
いつか終わりが来ることを
桜吹雪 潔く この世に別れを告げていけ
死ぬは一定 我が身とて
いつかは 直ぐな その背を追おう...さらば友よ、桜吹雪と共に
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独りきりの部屋 またTVつけてる
だけど音楽も 聴きたくてイヤホン
もったいないね 電気代
独りきりの部屋 電気だけ明るい
誰もいないから 寒くってエアコン
もったいないね 不経済
君はいつ帰るのかな
留守電は聞いたよ 遅くなるんでしょ
君はまた 酔ってるかな
記憶もお財布も 落としちゃったって ...おかえり
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奈落の夜に零したナミダ
これが最後の美しさと知っていた
あなたに見せる私の綺麗は
何も残っていない
月の光 刃物の冷たさが愛おしい
あなたは私が怖いのでしょう
刹那の命に焦がれては 眺めて
美しさを悟っている
夥しい死屍 薄い羽が散る
恍惚に花が咲く...春、満開、桜に死す ※ややダーク注意