はじめに混沌から青い惑星(ほし)が生まれ
惑星は人を生み 人は機械を造り
やがて機械はその手を離れ 人もろとも世界を呑み込んでいった…
冷たい銀色の月 かりそめの空は光に白く
見上げたビルの間を 吹き渡る風さえもザラつく電子音
眠らない街のネオンの海に ふっと目を閉じ 飛び込んできたのは
〈発展〉の栄華に潜む廃墟 これは単なる灰色の幻想(ファンタジイ)
無限の安楽を求める欲望 世界はさらに加速していく
無駄を許さぬ新たな道徳(モラル)が 全てを縛り削り落としていく
ああ 僕らまるで 電子機器じかけの半機械(ハイブリッド)
自分を存在づける心さえ デジタルの信号になってしまいそう
色のない大地と空の中で 僕らは機械に堕ちてゆく
世界は鼓動を止めて 崩壊へと時を数えだした
有機物の部品(パーツ)に化してゆく この腕が“命”を紡げなくなる前に
ここにある全ての思いを込めて この歌を君に届けたい
続いてゆく幾つもの犠牲と憎しみの連鎖(リンク)
機械化した獣達が 矛盾の上を駆けてゆく
灰色の砂の砂漠ならまだどこか「生きてる」って感じられるよ
教えて この荒れ果てた世界で
心は何処へ帰ればいい?
世界はすでに分岐点の上(ターニング・ポイント) 一度踏み出せばもう戻れない
腐敗と喪失を誰も知らずに 手放しで“未来”を讃え続けている
ああ 耳に響く 乾いたエンジン音
凍りついて温もり失くした 僕の心臓の音だ
数式で構成(つく)られた街の中で 僕らはモノに堕ちてゆく
鼓動を止めた世界は 虚無の暗闇へ傾きはじめ
電子の波に化してゆく この声が“心”を歌えなくなる前に
全ての思いをあふれるほど込めて この歌を君に伝えたい
「本当にこのままでいいのか? 愚かだと思うことも忘れたのか?」
荒げた叫びも届かないまま 灰色の空に吸い込まれていく
ああ 寄る辺も真の美も忘れた哀しい半生物(ハイブリッド)
「愛してる」って気持ちさえ 化学物質(ケミカル)の波になって・・・
二進法と無機物の杜の中で 僕らは機械に堕ちてゆく
鼓動を止めた世界は 虚無の暗闇に呑まれていって
デジタルの機能(プログラム)に化してゆく 心は 僕から離れてしまいそう
ああ 追いかけてくる警告(ビープ)音・・・ ビル風に逆らい 僕は叫ぶ
冷淡な幻想を抜け出して 真実(リアリティ)をこの手で受け止めよう
機械の殻をはぎ落して 再び魂は燃え上がる
偽生物な電子の海が 僕らを包み 取り込んでしまう前に
持ちうる全ての思いを込めて この歌を君に伝えたい
生きてる真実(ほんとう)の“僕”の心で この歌を君に 今 伝えたい
Hybrid Singer -digitized heart-
初投稿です。
昔自分が作ったもののリメイクで、歌詞とも詩ともつかない作品です。
テーマは・・・あえて言うなら「科学と文明の発展、それに伴う人間の退廃」です。あらゆるものが機械化して便利になって、人類の生活は格段に進歩を遂げたが、その代償として自らの根幹にあった人間性や命の本質を失ってしまった、というような現代批判を含んだSFっぽいストーリーです。かなりわかりにくい代物だと思いますが、よかったら見てやってください。
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