一限目のチャイムを聞きながら、屋上のフェンスに寄り掛かった。
動いた体の熱を冷したくて、風にあたっていた。
力を抜きフェンスに背中を預けるとギリリときしぐ。
夏場とあってあたってくる風は生温い。
耳うるさい蝉の泣き声をBGMに脳内会議を開催。
レンA:くそ~!次こそは絶対かってやる!
レンB:まるで、負け犬の遠吠えだねぇ。
レンC:まてまて。そもそも勝ちたい理由を忘れてないか?
忘れる訳ねぇだろ。
そもそも、あの時に格好つけようとして、首席になったのを見せつけてから告白しようとしたのが間違いだった。
つまり、こうだ。
リンに出会う。
一目惚れ。
よし、告白しよう!
首席を取られる。
こーゆうことだ…。
ハズッ!!!格好ワリィ…!
今すぐバッキャロー!と叫びたい。
あの頃の自分に。
「終わったも同然だろ…」
その場でしゃがみ込む。
7月の照り付ける太陽がジリジリと熱い。
でも諦められないんだよ。
そりゃ、可愛いし。
だからって、嫌味な奴でもないし。
明るく、男女共々に分け隔てなく優しい。
出会った当初だって、言葉も分かんないくせに、迷子を助けようと頑張ってた。
助けた俺に、
お礼の言葉と心からの笑顔には
―誰だってストライクするよ!
顔を上げ、どの季節よりも比べものにならない空を見る。
「…何やってんだ、俺」
こんなことしてるんだったら、次のテストに向けて勉強でも
しようと図書室に
向かい始めた。
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