halPの「恋するアプリ」に泣かされて、書いてみた。
「恋するアプリ」「恋するアプリ(修正版)」をモチーフにしていますが、
halP本人とはまったく関係ございません。
アプリ設定について本気出して考えてみた結果がこれだよ!
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【捏造設定】 恋するアプリ 【ver.text】
1.僕はアプリケーションソフトウェア
1年前につくったうたのリメイクをしようとおもう、と、マスターがいった。初めておれのためにつくられた、おれが初めてうたったうたを、調声だけではなく、オーケストレーションからエフェクトまで、全部リメイクしようといった。ほどなく、マスターはオケの調整に入ったが、思わぬ宿題を出されてしまった。マスターから、おれへの宿題――それは、「1年前よりもよいものをつくるために、いまできる最大限の努力をすること」。
とはいえ、この宿題はマスターが自分に課した宿題でもあるわけで、ついでにいうと、おれはマスターに呼び出されない限り自由にうたえないので、最大限の努力のいちばん見えやすいところであるうたも披露できないわけで。……そういうところが、うちのマスターは抜けていると思う。そこがマスターのいいところであり、いい意味でバカなところであるとおもっている。
そこで、うたいなおすにあたり、1年前を思い出してみようとおもった。1年前といえば、おれを取り巻く状況はどうだっただろうか。たしかその曲をうたったとき、おれはインストールされて1ヶ月になるかならないかだったとおもう。パソコンの中には、先にインストールされていたMEIKOがいて、既に数々の楽曲をこなしていたはずだ。調声をはじめられたばかりのおれとは違って、彼女の調声は、その頃にはもうじゅうぶんマスターのテイストに落ち着いていた気がする。まだパソコンの中にミクもリン・レンも、がくぽもルカもいなかった頃。
おれとめーちゃん。パソコンの中、同型のボーカロイドが、ふたりだけだったとき。
「懐かしいねえ。もう1年って」
「そうね……カイト、アイスこぼれそうよ」
「え? うわ!」
指摘されて、あふれんばかりの大きさでスプーンに乗るバニラアイスのひと匙を慌てて口に含んだ。1年前と変わらない、優しい笑顔のめーちゃんが、テーブルの向かいにいた。
音楽ソフトウェア・ボーカロイドKAITOが――つまりおれがインストールされたとき、既にパソコンの中は人間の世界の擬似空間として確立していた。パソコンの中だということを忘れるほど、その光景や肌触りは無機質さをなくしていた。朝になれば日が出るし、夜になれば星が瞬く。春には桜、秋には紅葉が色をつけ、夏には緑のつややかな芝が、冬には一面の銀世界が目を愉しませる。その時間・天候などのあらゆる変化は、おれたちが保存されているフォルダ――今ではしっかりと「家」と称されている――の周りだけではなく、パソコンの中全体に適用されている設定だった。おれたちはまるで人間のするように、ご飯を食べ、外に出掛け(もっとも、それはパソコン内の探索だったり、マスターが回線をつないでいる時は、インターネットのページを渡り歩いたり、範囲はさまざまだ)、家に帰って、風呂に入り、布団にくるまって眠る……まさに「生活」しているといって過言ではない振る舞いをしていた。パソコンの中で人格をもっていたのはおれたちだけではなく、メールソフトや文章作成ソフト、ウイルス対策ソフトに至るまで、パソコン内のほとんどに確立された人格はあったけれど、こうして生活しているのはおれたちだけだったとおもう(正確にはわからない。メールソフトのアウトルックさんはメールが来ないときやマスターが立ちあげていないときはだいたい寝ているし、ウイルス対策ソフトのノートン先生は暇さえあればスキャンやファイアウォールの点検なんかをしている)。
このすべてが0と1でできているなんて、とても信じられないけれど、実際、おれがここに来たときには、既にそうなっていたのだ。これがマスターの用意したシステムなのか、先にインストールされていたアプリケーションソフトたちが望んだ世界なのか、はたまた元からこうなのかはわからないけれど。とにかく、おれたちはかぎりなく人間に近いような環境に身を置いていて、それはたぶん、マスターたち人間でいうところの「生きている」という状態にひどく似ていた。
コンピュータと呼ばれるものの中身はもっと無機質で、それこそ0と1ばかりの世界だとおもっていたおれは、それがどうやら違うらしいことに気付いておおいに驚いた。そしてなにかあるたびに、先にインストールされていたボーカロイド・MEIKO――その頃は、まだおれは彼女を「めーちゃん」とは呼べなくて、「姉さん」と呼んでいたのだが――に、「あれはなに」「これはどうするの」と訊いていた。おもえばこれが「環境に適応する」というやつだったのだろうけれど、なにかにつけ質問をするおれの様子は、きっと姉さんや他のソフトたちの目には「なぜ」や「なに」を連発するこどものように映ったにちがいない。
それでも姉さんは、訊いたことには大概面倒くさがらずにその場できちんと説明をしてくれた。その場で説明できないことは、あとで教えてもらえたし、あえて説明されなかったときもある。ちなみに、説明されなかったときというのは、おれがウイルスに近づいたときと(とにかく逃げるので精一杯だ)、姉さんも知らなかったとき(こうなれば自分で調べるしかない。ググる、という技術を学んだ)、あとは姉さんが恥ずかしくて説明できないようなことを訊いてしまったとき(赤面しためーちゃんに怒られたときはなにかとおもったが、その後他のソフトたちになぐさめられて理由を知った。とうぜん、後で姉さんにはちゃんと謝った)だけだったとおもう。生活に関すること、ネット上でのマナー、おれは自分でわからないこと・知らないことを調べ、それでもわからないことは姉さんを頼った。それは、音楽やうたに関しても同じだった。
知らなきゃいけないこともたくさんあったけれど、知りたいこともたくさんあった。姉さん自身のことを訊くことも多かった。そのときは自覚していなかったけれど、「姉さんのこと」も、おれの知りたいことのひとつだった――なんて、いまだからわかることなのだけれど。
とにかく、その頃のおれは、自分がアプリケーションソフトウェアであることを自覚しながら、おおよそアプリケーションソフトウェアらしからぬ扱いに戸惑い、それでもなんとか環境に慣れはじめてきたところだった。
【捏造設定】 恋するアプリ 【ver.text 01】
halPの「恋するアプリ」に泣かされて、書いてみた。
怒られたらどうしよ……いや、泣いて謝ることにしますっ……!
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前々から停滞してるけど書くいてます、といいわけしては、のらりくらりと短編やらに
逃げていましたが、腹を括って一気に掻っ捌きに……じゃなくて、UPしにきました。
アプリ設定について本気出して考えてみた結果がこれです! 見てわかるとおり、
これまでのモノより地の文比率が半端なくなることが予想されます。でもこれはこれで
本来の作風にちかくなったというか……作者のうっとおしい人柄がでてます!
二次創作とオリジナルだと、なぜか作風の違うつんばるです、オリジナル作品は総じて
こんな感じ(地の文がくどい)なのに、二次創作の方がライトな書き口になる不思議!
正直見切り発車すぎて泣きそうです。見切り発車ゆえに、毎回恒例のカップリング要素や
何やらについて注意書きも書けないという見切りっぷり。でも、たぶん、カイメイ、です!
(でも今回に限ってはすっごい自信ない……!)
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つづくよ!
コメント2
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つんばる
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ご意見・ご感想
つんばる
ご意見・ご感想
コメントありがとうございますー!
アプリ設定お待たせしました! でもまだかなりの見切り発車なのです、すみません!
桜宮さんうざくないですよ、むしろ暴走してもらえるだけ待ってていただけたのが嬉しいですw
うっかりオリジナル版と修正版を二窓なんかしちゃった日にはもう! もう!(お前もおちつけ
どうも私は地の文を詰め過ぎる傾向があって、行間を読ませる書き方ってのができないんです orz
そして物理的な行間もほとんどあけないとか……(でも会話がないから行間をあける余裕もない!
見にくかったらどうぞ遠慮なくおっしゃって下さいー!
書いてる私自身も、これから物語がどう転ぶかわかりません。今回の話で「勝手にキャラが動く」って
感覚を初めて体験しているので、作者としてもちょっとたのしみやら恐いやら(笑)。がんばります!
2009/06/20 03:12:56
桜宮 小春
ご意見・ご感想
アプリktkr!
ぼくはアプーリケーションソフトウェアー♪…ごめんなさいorz
なんか私、毎回毎回暴走してるような…本当にごめんなさい、うざくてorz
確かにあの曲は泣けますよね…。テラセツナス。
うっとうしいなんて、そんな事ないですよ!
そんな事言ったら私なんか…うぅっ(涙
今から次の展開が楽しみです!
頑張って下さい!
2009/06/19 14:33:26