薄ら 薄ら 世界は空いた
その吹き出しが零す彩り
愚痴のような 歌詞のような
誰かが余白を銀河と呼んだ

見慣れた日常 愛の模様にも
お馴染みのことばは、そう――

「それじゃあ、」だけで
手を振るにはあまりに永すぎて
君だけに来た夜と
僕が残された、この世界

「さよなら。」
いじけた心 どうしてと空をはしり
涙は独り占めして
静かな慟哭を鳴らすけど

蒼鉛に似た世界の向こう
透き通るほど冷えた景色
触れる様で はじく様な
誰かが隙間を気圏と云った

うなだれる夜中 哀の模様にも
おなじみの言葉で、そう――

たとえば、昨日夢見た
明日がこんな陰惨と
明るくも無い日なら
過去は今を何と呼ぼう

窓へと溶ける光も
君には知られないまま
ただ無視される 朝と僕は
さあ 何をしよう

ただここで息をするだけ
縋りついて けど 泣ききれないだけ

永訣の朝
投げた声が残響に消えて
鳥の声が落ちていく
知らずと昇っていく太陽

「さよなら。」
いじけた心 どうしても空をはしり
涙は抱えきれずに
静かな慟哭を鳴らすけど

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【コラボ】 ノクターン

「さよなら。」

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敬愛する宮沢賢治先生の「永訣の朝」モチーフです。
彼の詩も物語も何度かモチーフにさせて頂いてますが、「永訣の朝」をやるというのは気が引き締まりました。
くわえて「無声慟哭」の要素も入っております。モチーフ贅沢やで。

そんな気合い込めたのを、信頼のおける楽師・Caloさんにこっそりお渡ししたところ、
曲を付けて下さりました。たっぷりの時間をかけ熟成させたコラボです。

もうしばし。

閲覧数:435

投稿日:2013/02/22 22:50:12

文字数:463文字

カテゴリ:歌詞

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