「さて…3人アリスを見てきたけど、どれも変わんないなぁ…」
(1番目アリスは、あの後たくさんの人を殺しすぎて、狂いすぎて、
結局森の奥にある牢屋に閉じ込めちゃったし…。
2番目アリスは、あの後偶然見た夢に怯えて泣きながら毎日玉座に座っている…。
3番目アリスは、あの後双子の姉と手をつなぎながら世界を回っていろんな物を破壊しまくってる…。………はぁ)
「アリスを間違ったかな…でも。」
(3人とも僕を覚えているはず…)
覚えてくれているのが嬉しいのか、いつもの笑顔と違う、
本心の様な優しい笑顔がこぼれた。
「……」
でも、すぐ我に帰ったのか、鋭いまなざしをする。
そして何かひらめいたのか、手をぽんっとした。
「あぁ!…そうだ。僕を一番覚えておける人がいるじゃないか」
そしていつものにんまりとした笑顔を浮かべる。
「僕と一緒に物語を見てきた…君。」
こっちの方を見ながら、ゆっくり近づいてくる。
「さぁ。僕のお手を取って?君の夢は、叶うよ。
………いや?そう。君はアリスになりたくないんだ。
なりたくないならしょうがない。これから先を、見ないでね」
カイトは青い色の扉を開け、中へとはいって行った。
まわりは花園で、その中でカイトは歌い始めた。
「一番目アリスは勇ましく
剣を片手に、不思議の国。
いろんなものを斬り捨てて、
真っ赤な道を敷いていった。
そんなアリスは、森の奥。
罪人の様に閉じ込められて。
森に出来た道以外に、
彼女の生を知る術はなし。
二番目アリスは幼い娘。
綺麗な姿で、不思議の国。
いろんな人を惑わせて、
おかしな国を造りあげた。
そんなアリスは、国の女王。
歪な夢にとり憑かれて。
朽ちゆく体に怯えながら、
国の頂点に君臨する。
森の小道を辿ったり
薔薇の木の下でお茶会
お城からの招待状は
ハートのトランプ
三番目アリスは双子の子。
好奇心から不思議の国。
いろんな扉を潜り抜けて、
ついさっきやって来たばかり。
気の強い姉と、賢い弟。
一番アリスに近かったけど、
二人の夢は、覚めないまま。
不思議の国を彷徨った。」
そう、歌い終わった瞬間だった。
どこにいたのか、
カイトを囲む大勢の人がいて、カイトに向けて拍手が打たれた。
「!!」
カイトは驚いた。
まわりに人がいたことではなく、
その中にメイコ、ミク、リン、レンがいたからであった。
「なぜだ…なぜ…?」
カイトは頭を押さえた。
様々な疑問が頭をよぎり始めたからだった。
(メイコは確かに森の奥の牢屋に…。
ミクは毎日玉座に座りながら泣いていて…。
レンとリンは世界を回って壊しまくっていて…。)
「それで…それで…」
カイトは長い間下を向きながら悩み続けた。
「なぜだ!!」
答えが出なかったのか、
いまだなっている拍手の中叫んだ。
そしてメイコは口を開いた。
「4番目アリスはおとなしく」
「!?」
先ほどのカイトの曲とリズムが同じだった。
次に、ミクが口を開いた。
「歌を歌って不思議の国」
次にレンが。
「色んな音をあふれさせて」
次にリンが。
「狂った世界を生み出した」
そしてカイトはついにしゃがみこんだ。
「やめろ…やめろぉ!!」
だが、その歌が終わる事はなかった。
「そんなアリスはバラの花」
「いかれた男に撃ち殺されて」
「「真っ赤な華を一輪咲かせ」」
「「「「皆に愛でられ枯れてゆく」」」」
「!?」
その歌が終わった瞬間、銃声が鳴った。
「…………!」
カイトは一瞬何だ?と思った所に触れてみた。
すると、そこに触れた手には血がべっとりとついていた。
突然だったからか、カイトは体がはマヒして動けなかった。
そしてそのまま華の上で寝そべった。
「……あぁ…そうか…」
(これが…痛いということか…)
「………ごめんね。アリスたち」
目がかすんでいき、
カイトが見た最後は…アリスの4人だった。
全員で大きな、真っ赤なバラを手にもっていた。
「見てはいけないと忠告したはずだよ。
……でも、もう……関係ないね………」
(ここまで、アリスたちの物語を見てくれて…ありがとう…)
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