行方不明の歌をずっと一人きりで
溶かしていくんだと思ってたんだ
透明に刻まれたのは心かもしれない
だってそれしかできなかったから
なにかを取り戻したいだなんて
どこかへ飛び出したいだなんて
感じることはなかったんだけどね
もう忘れてしまったのかもしれない
急に眠くなった明けない夜を越えるため
小さく閉じた唇を不思議そうに見つめてる
誰かが続きを紡ぎ始めた気がした
見えない見えないそれでもこんなにも
宛名不明の歌をずっと一人きりで
沈めていくんだと思ってたんだ
空白に閉じ込めたのは言葉かもしれない
だってこれしかできなかったから
だれかを震わせたいだなんて
その手を握ってたいだなんて
求めることはなかったんだけどね
そう落としてしまったのかもしれない
不意に軽くなった冷たい空を越えるため
今から開ける唇を楽しそうに見つめてる
誰かがトナリで奏で始めた気がした
絶えない絶えないどれほど待ってたの
響きの始まる場所を目にすることが出来ない
私たちはいつも同じ向きで歌っていたから
わずかな体温に怯んだ私の指先を強引に掴み
「もう離さない」って伝わるくらい握りしめてた
それがいつ終わりを告げるのか分からないほど
木漏れ日の隙間を静かにせせらぎの水面を強く
今も音色は旅を続けて今度は君へ会いに行く
もし驚かせてしまったら呆れ笑いで許してね
住所不定の歌をずっと一人きりで
散らしていくんだと思ってたんだ
軽率にねじ曲げたのは自分かもしれない
だってあれほど変えたかったから
今すぐ届かせたいだなんて
そこまで駆けてきたいだなんて
伝えることを願ったんだからさ
もう気にしてられないのかもしれない
突如消え去った重たいドアの向こうから
今にも跳ねるこの声を嬉しそうに覗き込む
誰かが世界と遊び始めたのを見た
消えない消えないこれからどこまでも
見えない見えないそれはねそばにいる
絶えない絶えないずっとねここにいる
その音色を終わらない足跡にしながら
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