居場所が無いって思うのは簡単で
星空みたいな小さな逃げ口を見上げて
どこにも行けないふりを続けていても
見ないようにしているのに気付いてしまう
完全に解きほぐされた操り人形を褒めて
身体を動かすには糸の数が足りてない
スイッチがどこにも見つからないまま
似てないダンスを不器用に踊っていた
地面の雫は雨になるなんて言うけれど
下水と浄水場で汚泥に分かれてくんだ
不純物でいっぱいになったら燃やしてよ
煙の棚引く方向に私は飛んで行ける
何かの合図になるのなら小さく口笛を
寝場所が無いって憂うのは簡単で
水底みたいに小さな泡粒を見下げて
いつでも行かないふりで遊んでいても
来ないようにしているのに気付いてしまう
閑散とちりばめられた間違い探しを退けて
心を動かすには意味の数が足りてない
カセットがどこにも見つからないまま
行けない海図を不自然に飾っていた
湖面の風は春になるなんて言うけれど
散らすのは花びらだけじゃ無いんだ
不燃ゴミでいっぱいになったらうずめてよ
匂いの後引く方向に私は待っていれる
誰かのポーズに合うなら小さく手を振るよ
温かい食事が並ぶテーブルなら
止まらない会話が続くサークルなら
いつも飲むカップに敷いたコースターなら
全てを失っても受け入れてくれるなんて
買ったチケットを忘れて
パスポートを書き間違えて
バスも電車も乗り間違えて
目的地を忘れてしまっても
諦めた思いやりの寂しさを詰めた
行く当ての無い小箱と短い手紙
賽を振る回数は残り幾つ?
頭が動くうちに指が曲がるうちに
振り出しに戻るには
まだ早すぎるだろうから
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