++兄++
君よ見よ 遠きかの道を
夜明けには 我は独り往かん
この胸を満たす悲しみは重く
盃に臨む喜びは足らず
我は水のごとく西に流れ去り
君は山のごとく東に留まる
言葉を尽くして別れに語れど
思いは尽きせず涙となりて
再びこの手を携え 君と
苦楽を共にする時ぞ恋しき
++弟++
悠遠の道も極むべし
今は唯 嘆く別れの時
この胸は君を慕いて震え
盃に臨み立ち上がれども
我の帰りゆく南に舟のあれ
君の旅しゆく北には橋もなく
心は君の供とて行けども
この身は留まり 参商(しんしょう)の星
さながら 衡軌(こうき)の迹(あと)を殊にし
牽牛(けんぎゅう)の星の名ばかりがごとし
++兄++
我は水のごとく西に流れ去り
君は山のごとく東に留まる
++弟++
我が帰りゆく南に舟のあれ
君が旅しゆく北に橋もなし
++二人++
言葉を尽くして別れに語れど
思いは尽きせず涙となりて
再びこの手を携え 君と
苦楽を共にする時ぞ恋しき
【自作曲用】逝言居情【動画化完了】
中国晋代の漢詩人兄弟の作品を元にしました。
1番→陸機(士衡)【贈弟士龍】
2番→陸雲(士龍)【答兄機】
語注
・参商の星
参(オリオンの三つ星)、商(蠍座のアンタレスを中心とする三つ星)のこと。
昇る季節が正反対のため、同じ空に現れることがない。
長く離れ離れとなって会い難くなることのたとえ。
曲→http://piapro.jp/content/abw4nax1sw2btkfn
原詩について参考資料→http://piapro.jp/content/cdu3m9holv5gemku
動画 http://www.nicovideo.jp/watch/sm7797618
コメント0
関連動画1
ご意見・ご感想