ここは平和なボカロ学園。
そんなここにも黒い影が忍び寄っていた。
ここに記すのはとある生徒が残した日記に記された内容である。
◇
その日はいつもと変わらない穏やかな晴々とした日だった。
校門ではいつものようにミクをはじめとする生徒会一同が挨拶運動をしている。
そう、それはいつもと変わらない朝に見えた。
ことは職員室から始まった。
「ごほごほっ・・・あー、頭痛い」
「ちょっと、大丈夫なの?
今日はもう帰ったら?」
カイトが気分が悪そうに自分の机に座っている。
その隣にはメイコが心配そうに立っていた。
「んー、でも今日は大事な授業があるし休むわけにもいかないんだよね」
「そう・・・。
あんまり無茶したらだめだからね」
「うん、大丈夫だよ」
そういってカイトは立ち上がって職員室を後にした。
「本当にだいじょうぶかしら・・・」
「メイコ殿メイコ殿、一応拙者も気を配っておくのでそんなに心配しなくても大丈夫でござる」
「そうデスよ、ワタシも気をつけておきますネ」
「そう、ありがとう。
アン先生もがくぽ先生もお願いしますね」
そんなやりとりをしていると予鈴のチャイムがなったので、みんなそれぞれの担当教室に向かっていった。
最初に異変が起きたのは一年生の教室だった。
その教室では朝気分が悪いといっていたカイトが授業を行っていた。
「えー、であるから・・・ごほごほっ。
ここがこうなっ、ごほっ」
そんな咳をしながら途切れ途切れにしゃべるカイトを心配そうに見守る二人がいた。
リンとレンである。
「ねぇ、カイト先生調子が悪そうじゃない?」
「うん、なんだかダルそうだし、咳もしてるし・・・。
ちょっと心配だね」
「本当、大丈夫かしら・・・」
教室の後ろの席でこそこそとしゃべっていた二人の会話はガタンッという大きな音にさえぎられた。
驚いた二人が音のしたほうを振り向くと、そこには床に倒れこんだカイトがいた。
「「カイト先生!!」」
二人が叫ぶ。
同時に何人かの生徒がカイトに近寄る。
リンも急いでカイトに駆け寄ろうとする。
だがその様子を見ていたレンが大声をあげた。
「みんな、近寄っちゃだめだ!
すぐにカイト先生から離れて!」
「え・・・?」
レンの叫びに一瞬全員の動きが止まる。
そんな中不意に一人の女生徒が悲鳴をあげた。
みんなが驚き振り向いたその先には・・・。
荒い息遣いをして白目をむいたカイトがその女生徒を捕まえていた。
次の瞬間、カイトはその首筋へと噛み付いた。
すると先ほどまで抵抗していた女生徒はだらしなく力が抜けて床に倒れこむ。
そんな状況に誰しも何が起きたのか理解できずただ呆然と立ち尽くしていた。
だが、それからすぐに全員の顔には恐怖が浮かんでいた。
ついさっき倒れた女生徒がカイトと同じような状態になって立ち上がったのである。
そしてこちらに向かってゆっくりと歩いて向かってくる。
「う・・・うわあぁぁぁぁ!」
一人の生徒が悲鳴を上げて逃げ出すのを合図にしたかのようにみんな悲鳴を上げ、我先にと入り口から逃げ出していく。
そんななだれのような人の群れにリンが飲まれかける。
「ちょ、みんな、まって!
押さないでよ!」
「リン、こっちだ!」
リンの手を取ったレンは自分へと引き寄せ、教室の窓から外へと飛び出した。
教室の中を伺うと、何かと化した二人はこちらへは気づかず逃げ出す生徒を追っていた。
「よし、まだ気づかれてないな。
今のうちに行こう」
「行くってどこによ・・・・?」
「とりあえずは放送室に行こう。
校内放送で呼びかけないと大変なことになる。
後は、生徒会に招集をかけて作戦会議しないと」
「作戦会議って・・・何が起きてるのかもわかんないのよ?
どうやって・・・」
「それについて心当たりがあるんだ。
だから集まったらみんなに話す。
とりあえず今は放送室に向かおう」
そして二人は放送室へと向かうのだった。
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ジョーカーなんて私望んでないよ
ただそこに居ただけで片棒を担いでしまうから
切り札に隠した嘘に騙されて
しまいそうで 不安ばかりだわ
1
いつだって 先に行く
視線を狙っている
そうだった気付くの
Keyloggerみたいな解答
空っぽな私を置いて...AM: ジョーカー
mikAijiyoshidayo
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