欠けた花びらをなぞるしかない
掻き慣らした言葉さえ思い出せない
響いた声の青さを振り返りもせず
ただ舞い散る色を見つめていた
繰れるように時が経ち流れ続ける
静かに見上げる寂れた目に写る
あまりにも華美すぎたその横顔に
瞬きまでも許されなかった
まだ捉えることさえままならない
離れている貴女をよく知らないけど
淡い光の差す四畳半の隅で
綺麗な花に水を差し続けていたこと
それだけは知っていたんだ
言葉を失うほどにこぼれ落ちる
滴にも変えられないだろう
栞に挟んだ行き場の無い合間は
とても埋められやしないみたい
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