柔らかな光
木漏れ日は癒しを
そよ風は安らぎを
分け隔てのない安らぎ
温かな空気
触れた木々は
美しい調和を奏で
違和感無く
その場所を仕合する
違和感
常に木々の視線
一瞬の隙も無く
その調和を乱す事など出来ない
そこからは二度と逃げられない
森。
少年は空を仰ぐ
星(スピカ)を見上げて
「泣いているの?」
星は純白の輝きを絶やさず
ただ少年を優しく包む
「スピカ…、君はどうしてこんなにも哀しい運命を辿るのだろうね」
悲しそうに笑う少年
スピカは微笑む
「貴方が哀しむ事ではないわ」
差し延べた手
しかし。
少年はその手を取る事は無かった。
「偽りの天女=娼婦」の陰謀。
「森が…」
燃えている。
それは、
「人形―――」
少年は星に伸ばしていた手を
再び自分の体に寄せた。
「貴女を汚れの炎に巻き込む訳には参りません」
優しく笑い、
炎に呑まれる。
「ナカナイデ、」
―――ズット貴女ノ近クニ居マス、
―――例エコノ心ガ不ノ感情ニ侵食サレヨウト
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