View。
 デビューして半年。今芸能界のトップに立つ6人組の高校生アイドルグループ。
 女子4人、男子2人で構成されたそれは個々が持つ様々な声音で素晴らしい歌を歌い続けている。
 6人の関係は今同じ高校に通っていること。そして同じ中学に通っており同じ部活に所属していたことだ。
 「うっわ~、久しぶりだね~。相変わらずボロいなぁ~」
 古い木造建築の、今は廃校として使われていない中学を懐かしそうに見上げながらViewの1人、鏡音リンは笑いながら言った。
 「1ヶ月前に卒業したばかりだろ」
 そんなリンに幼馴染で同性な鏡音レンも笑いながらツッコむ。
 6人が卒業した中学を6人が懐かしそうに笑いながら思い出話を各々語っている。
 「はい、思い出話はここまで!今日は久しぶりにお休みが取れたのに、ここで駄弁って終わらせるつもり?」
 「メイコ先輩の言うとおりよ。私たちはここにあれを取りに来たんでしょ?」
 メイコの言葉に同意したルカがリンとレンの頭を軽くこつんと叩いた。
 ルカとメイコに連れられ、6人は中学時代活動していた音楽部の部室、音楽室へ行く。
 廃校になってまだ1ヶ月しか経っていないせいか、あまり変わらない姿形内装をしていた。
 リンとレンは未だ覚えている校内図を頭に浮かび上がらせ軽い足取りで2階に位置する音楽室へ向かった。
 あの時と変わらないピアノがあり、音楽家の肖像画があり、机があり、椅子があり、その他諸々の楽器がある。棚には6人の中で1番の先輩であるメイコ、カイトが歌ったことある楽譜も置いてあった。
 「え~っと、あれは……どこに置いたっけ?」
 ミクが机の中やピアノの下などを見ながら目的のものを探す。
 「たしか……って、リン、レン!お前たちはちゃんと探せ。ずっとここにいると怒られるぞ!」
 「は~い」
 「ごめんなさ~い、カイト先輩」
 楽器を奏で遊ぶリンとレンを叱り「やれやれ」と捜索作業へ戻るカイト。
 6人が探しに来たのは所謂「タイムカプセル」。
 リンとレンの卒業式の日、6人揃って音楽室にタイムカプセルを置いたのだ。
 ……その時は、誰も自分たちの母校が廃校になることを覚えていなかった。
 丁度1週間前、6人がレッスンの休憩時間を過ごしている時、ルカが思い出したように呟いたのだ。
 「次の休みの日、取りに行こう」ミクの提案に6人は賛成し、今日、ここに来たのだ。
 「あ、これじゃないかしら?」
 CDラックと棚の間にある妙な隙間。そこから少し埃をかぶった箱を取り出し、ルカがみんなに見せる。
 これこそ、6人が1ヶ月前、ここに残した思い出の品。
 入れたものは勿論覚えている。忘れるはずがない。
 「よし、見つかったことだし。出るわよ」
 メイコがルカから箱を受け取り、音楽室の出入り口まで早歩きで向かう。
 残り5人が出たことを見届け、メイコも最後にドアを閉め、5人の後を追った。

 ――6人は知ることになる。
 自分たちの未来を。
 箱の中にある未来を。
 そして、「心に響く歌」の意味を。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

VOCALOID Project-はじまりの歌-

こんにちはから初めましての方まで、どうもさとりんです。
今まで歌詞を投稿していきましたが小説も書こうと思います。
一応、最後までストーリーは考えています。
……で、最初に言っておきます。
既存ネタでしたらごめんなさい。
私はこのネタが完全にオリジナルだと思い書いていきます。
今まで見て来た作品とも違う。ライトノベルもアニメとも違う。
私が自分で生み出したオリジナルで書いています。
「あ、こんなの私も書いてる!」という方がいたら「私とこの人は同じような思考をしているんだな」と思って下さい。
それでは、まだまだ続くので読み続けて下さったら嬉しいです!
感想等下さると嬉しいです。

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閲覧数:95

投稿日:2014/06/18 23:37:26

文字数:1,275文字

カテゴリ:小説

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