晨煙(しんえん)に霞む、暁月を眺む
私は今日も
花に泪の代わりを
注いでいたのだ
箱庭の中で
小さく息をした
苦しいわ
苦しいわ
案外、世界は儚くて
少し触れば壊れそうで
そんな所で生きているから
どうも仕方がないと諦めていた
過ぎにし君の形象
能(あた)う限り思い出しては
不器用な言葉で表した
意味は無いと知っていながら
無垢に讃う白々の火よ
曖昧な命を奪っておくれよ
されど聲は水音に紛れ
今日も私を残して征く
命は尊く奇麗だと
そんな瀰漫(びまん)が余りに苦しいから
枯れ落ちた花を羨むように
そっと息を止めてみたのだ
君の聲を忘れていた
いつか輪郭も霞んで仕舞う
知っているんだ
眩い彼の残光だけが
燻る世界に色を落として
訝る儘、笑って
閉塞を噛んだ味蕾
まだ伽藍堂の幻視
其の総て
私に沁みて痛いのだ
切り売りした命は淡く
選択の総てが自由の模造で
何も考えていない事に
気付く事は出来ないようだ
花に水を注ぐ私達に
水を与える者は誰も居なくて
箱庭と共に枯れて征くから
どうか今は此処に居させて
痛い、痛い、痛い、痛い
痛いと泣いた聲すら
届きはしない悲哀を
隠す為のレプリカ
暗い世界は奇麗かい?
其方の花は枯れるかい?
君が今も咲いていると願おう
こんな世界で
小さく息をした
まだ少し
苦しいわ
片隅で芽吹く
弱々しい朝が
愛おしかった
其れを生きる理由にした
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