晦日の時化の 沖の間に
指先糸に 食い込ませ

真っ赤に染めた 頬濡らし
ミビキのアラを ぐいと飲む

風寒み 泪出るとも
あヽ 待ちぼうけ

あなた帰ると
十九の冬よ
氷見は濡れ雪


ひとの殯を みるたびに
信じたくなどないけれど

ながめ霞んで 風の音
潮が目に滲み 膚に滲み

雪寒み あなた待ちあぎ
あヽ 靜かです

あなた帰ると
十九の冬よ
氷見は濡れ雪


(読み)
みそかのしけの おきのまに
ゆびさきいとに くいこませ
まっかにそめた ほほぬらし
みびきのあらを ぐいとのむ

かぜさむみ なみだでるとも
ああ まちぼうけ

あなたかえると
じゅうくのふゆよ
ひみはぬれゆき

ひとのもがりを みるたびに
しんじたくなど ないけれど
ながめかすんで かぜのおと
しおがめにしみ はだにしみ

ゆきさむみ あなたまちあぎ
ああ しずかです

あなたかえると
じゅうくのふゆよ
ひみはぬれゆき

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

濡れ雪

ていこくさんの哀愁演歌に合わせ書かせて頂いたものです。
ザ・演歌って感じがたまんねえ。→http://piapro.jp/t/DxoC

氷見は富山県の地名。鰤の水揚げで有名です。
漁師や漁師町に住んでいる人たちは潮風に長い間当てられ顔や腕が赤くなることがあるそうです。
ミビキとは方言でヒラメのこと。アラはアラ汁。うまい。
殯は人の死からお通夜までのことを指して使っています。
風/雪寒み=風/雪が寒いので(古典文法です)。
「あヽ 靜かです」のところはとうとう待ちくたびれて他の人と交わしてしまったあとという感じです。

閲覧数:242

投稿日:2011/06/29 21:03:54

文字数:403文字

カテゴリ:歌詞

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