ああ 涙が傘になったような
その横顔が未も嫌いだ
腫れた頬が僕を照らす
皺が目立つ縒れたハンカチを持って

伸ばした小指を 結んでほしいの
(白々しくて それでもいいよ)
吐き出した「ごめんね」って それしか言えなくて
(早く帰って 歯は見せないで?)
昨日の僕は 今日の僕なのに
染み付いているのに やめられなくて
潰した文字で紙を汚すのって
昨日の僕だって 解んないの?

「そういう君が好きだって」
「愛想笑いで頷いた」
「幸か不幸か知りたくて」
「裏の模様を知りたくて」
馬鹿。

会いたくないよ 今は会いたくないよ
枝垂れた雨が 揺れていた今
思いあぐねた 金木犀
泣いて零して報われる気がして
今日を殺して傾く月を見て

過不足ない話で むしろ良かった
(厚かましくて 気が気じゃないの)
背伸びした話題で 後で臍噛んだ
(謝り方を間違えただけ)
冗談(ジョーク)の裏で 耳を塞いだ
笑い声すら聞きたくなくて
突っ伏した。「起きて?」
袖を濡(よご)すのって
昨日と一緒だって 変わんないの

「はにかんで塗り潰して」
「冗談相俟って虐げた」
「撫でた手、刺してだって」
好きが好き、って 消えたい 言えないな
馬鹿ばっか。

合いたくないよ 厭だ合いたくないよ
厭々鏡合わせてきたとして
世界は回る、羊とメリー
綻んだ顔がまだ嗤っていたんだ
大袈裟に苦い今日を
乗り切るための杖を
君が貸してくれたのだから
夕日の木霊に返事して
今日は夜を明かそうか
すべて忘れないように

ねぇ、いつまでこんなこと続ける気?
あぁそうか、君はもう置いてきたんだったね 忘れた様に
刺したきり君は何処かへ行ったんだ
シトラスの匂いが また君を想い出させる
噎せるように 嘔くように
血の色した君は きっとあの場所へ

知りたくないよ 今更知りたくないよ
蝶みたいな嘘でも 騙されていたいよ
言えずにいた言の葉叶う筈もないのに!

君が求めていたのは
穴なんかじゃない 器だってこと
知らんぷりして瞳を交わした
僕の負けじゃないか

君が求めていたのは
手に取りたくて 手に取れないもの
そんな夢みたいな君を躱した
僕の負けじゃないか
君が笑っていた

君が笑っていたんだ

(ラララ・・・)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

carillon 歌詞

3作目 carillonの歌詞です。

閲覧数:107

投稿日:2022/12/31 21:53:58

文字数:944文字

カテゴリ:歌詞

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