10  オフ会 その2



 やっぱり来てる人は大人で男の人ばっかだ、あれ、よく見るとあっちのテーブルに女の人がいる。仕事帰りに来たのかスーツを着ている。
 ミスティさんなのかな・・?いや、違う。声と話し方が違う。ミスティさんの声は実況動画でよく聞いているからわかる。misakiちゃんでもないだろうな、あの人は大学生だから・・じゃあ、あの人はたぶんよそのギルドの人だろうな・・。セシルさんはもうこの中にいるのかな・・。私はそんなことを考えながらきょろきょろ周りの人達を見ていた。

 「どうしたの?落ちつかないね。」
 「いえ・・、あんまりこういう集まりに慣れてなくて・・。」
 「そうなんだ、まぁ、十代の若い人なんて君らだけだしね。他はみんな社会人ばっかだし、普通慣れないよね。」
 「あの・・誰が誰だか全然わかんないです。」
 「はは、そうだね初めて来たらそうだよね。僕のことはたぶん知らないと思うな。セシルさんのギルドの人間じゃないんだ。」
 「そうなんですか。」
 「でもセシルさんとかここのギルドの人とは友達なんだよ。他にもね、僕のいるギルドのメンバーも何人か来てるよ。」
 「あの・・セシルさんってもう来てます?」
 「いや、まだ来てないね。ちょっと遅れるらしいんだ。30分くらいって言ってたけどまだ来ないね。」
 「あと、ミスティさんって人わかります?」
 「あー、あの人も来てないね。でもたぶんそのうち来るよ。」
 「misakiさんって人は来てます?」
 「え~ごめん、その人は僕知らないなー、ねーーねーー、misakiさんって人もう来てるー?」
 「いや、来てないんじゃないかな。」
 「たぶんいないよ。」
 「あれ?でも来るって聞いてないよ。」
 「misakiの分って頭数に入れてないよ。」
 「まーでも、もし来ても別で自分で払ってもらえばいいっしょ。」
 「つーかさ、misakiさんって今までオフ会は不参加だったよ。」
 「・・ってことらしいね。どうやら来てないみたいだよ。」
 「はい・・そうみたいですね。」

 misakiちゃんは昨日私に来れたら行くと言っていた。絶対来て、来なかったら泣くよ!とそんな会話をした。
 まだ3人とも来てないか。でも楽しみだな・・。あー早くセシルさん来ないかな。あーどうしよう、レンがカッコいいとか言ってたしなー。来たら隣に座っちゃおうかなー。あーやだやだ、また顔がにやけてきた。
 私が浮かれ気分でいると、誰かの携帯が鳴った。どうやら相手はセシルさんらしい。
 
 「マスターさ、もう近くに来てるって。あとどれくらい?あそう、もう着く。」
 「お、ようやくボスが来るよー。」
 「まってました。」
 「待たせすぎー。」
 「早く飲みてーよ。」
 「まださー、来てない人もいるっぽいけど、マスター来たらもう始めようぜ。」

 セシルさんが近くまで来ているそうだ。私は一気に緊張した。


11 ゲームじゃイケメン その1へ続く

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ネットゲームで出会った人達  10 オフ会 その2

閲覧数:198

投稿日:2010/10/17 14:55:31

文字数:1,249文字

カテゴリ:小説

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