【A】
薄闇の寝返りと浅い溜息
午前四時 ああ 今日も窓を叩く雨

【B】
纏わりつく微睡みは安らぎじゃなくて
左腕に残された冷たさが この胸 締め付ける

【C】
きっとあのドアはもう 開きはしないだろう
この部屋の窓には ねえ 朝はまだ あぁ 来ない

【A】
いつの頃か増えてた「ごめんね」の数
いつの間にか減ってた「ただいま」は予感

【B'】
ひとりきり眠る夜は「おやすみ」の代わり
指の先で想い出を 繰り返し 辿って あぁ……

【C】
あのドアがもう決して 開かないとしても
この部屋で あぁ 僕は 来ぬ朝を待ち続ける

【C】
窓の外は今も 空が泣いてるから
朝陽のない部屋で また瞳閉じよう


*****
読み

【A】
うすやみの ねがえりと あさい ためいき
ごぜんよじ ああ きょうも まどを たたく あめ

【B】
まとわりつく まどろみは やすらぎじゃなくて
ひだりうでに のこされた つめたさが このむね しめつける

【C】
きっと あの どあは もう ひらきはしないだろう
この へやの まどには ねえ あさは まだ あぁ こない

【A】
いつのころか ふえてた ごめんね の かず
いつのまにか へってた ただいま は よかん

【B'】
ひとりきり ねむる よるは おやすみ の かわり
ゆびのさきで おもいでを くりかえし たどって ああ

【C】
あの どあが もう けして ひらかないとしても
この へやで ああ ぼくは こぬ あさを まちつづける

【C】
まどの そとは いまも そらが ないてるから
あさひの ない へやで また ひとみ とじよう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【採用】夜明け前【修正済】

さっちん様の楽曲、【氷山キヨテル】夜明け前(仮)【歌詞募集・3月上旬まで】http://piapro.jp/t/G9Omの歌詞公募に当てて書き下ろした詞です。

ご採用頂きました! 有難う御座いました☆
作曲者様と相談の上一部修正済です。

しっとりと静かながらしっかり流れに合わせ盛り上がりも見せる完成度の高いスローテンポ、切なさと哀愁漂う曲調、何処か歌謡曲のようなちょっとレトロな雰囲気、全てがめちゃくちゃ好みです。
すぐに物語と言葉が浮かんでまいりまして、一気に書き上げさせて頂きました。

同棲していた恋人と何となくすれ違いを繰り返してしまっていた青年。
ある雨の日の夜明け前、恋人はついに出て行ってしまい、あとには青年だけが残される。
ふたりのベッドの中にひとりきり取り残された青年は、まるで朝が来なくなってしまったような薄暗い部屋の中、腕の中にあったはずの温もり――既に随分前から冷えきっていたらしいそれに思いを馳せつつ、窓の外で自分の代わりとばかりに泣き続ける薄暗い曇り空を見上げている……

こんな感じの設定で書いてみました。

2番【B】の『ひとりきりの夜に指先で繰り返し辿る想い出』は携帯やスマホのメールやメッセージをイメージしたつもりでおりましたが、改めて読み返すとなんだかえろい感じにも取れますね。(何)
何でもないです。(笑)

とても楽しく作詞させて頂きました。

閲覧数:436

投稿日:2014/03/12 01:25:07

文字数:700文字

カテゴリ:歌詞

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