紗綺

【A】
疼く鼓動 掻き乱され 目を凝らす “一寸先”へ
喘ぎ藻掻き 足を取られ 「次は何処へ？」
アマいユメの 微温湯さえ 目覚めれば毒に変わって
この《現実》[あくむ]に ただ魘され 踏み出すだけ
【B】
エゴと理性の境界線 冷たく笑う三日月
目を逸らした過去まで見透かすように
【C】
「おいで ...

【A】
青時雨 薫る白南風 せせらぎが映す宵空
短夜を彩る星に 想い出を数えては
目を閉じて 耳を澄ませば 不如帰 遠い歌声
ねえ 君は 今 其処に居ますか
【B】
宛て所無き便り この風に託して 嗚呼
【C】
置き去りの花弁 ひとつ 波間に浮かべてみても
君を また ほら 思い出す 儚く揺れる蛍...

【D】
嗚呼 紅に いま 咲き誇り
色づく想いは 花盛り
【A】
艶や 桜木か 千重の椿
爛漫と 匂い立つは 暮六つに
挙りて賑わう 春の宴 いま鮮やかに
掴めど手折れぬ 高嶺の花
今宵も咲かせましょう
【B】...

『お悩み相談、承ります』
『失せ物、探し人、なんでもどうぞ』
『……ふーん、これは随分厄介みたいだね』
『まぁ、任せて』
『素敵なドラマを、見せてあげる』
【A】
Welcome！ Are you ready,now？ 最高の《物語》[トラジェディ]
「作戦開始」 命令[オーダー]は下った
神経研ぎ...

【A】
この体中 鎖つけて
もう 雁字搦めに 縛って欲しい
手錠に首輪 心まで
もう 決して離れたり出来ないように
【B】
あぁ……
ずっと一緒がいいの
いつまでも いつだって もっと傍にいて
あぁ……...

【A】
モノクロの雑踏を 急ぎ足 すり抜け
蹴飛ばした葛藤も目を閉じて見ないふり
誰も 皆 きっと そう オトナぶった顔で
言い訳 理論武装 予定調和のシネマ
【B】
この街じゃ 最近 騙し騙されなんて
悲劇ですら 最早 なくなったらしい
だったら もう イイコでいたら損するだけ
だから イキましょ...

【A】
紅い月が 嘲け笑う
この身 焦がす この衝動
甘く薫る 罠の果実
触れられない 硝子の花
【B】
ねえ お願い 気づかないで この想いに
【C】
いっそ もう 塵になろうか
君が汚れぬように...

【C'】
桜 ひとひら 想いを乗せて
君に届け この花吹雪
【A】
流る 風の音と 春光よ
咲き乱れ 匂い立つは 曙に
色を染め重ね 鮮やかなる 花弁のように
焦がれ募りゆく この想いよ
舞い舞え 花吹雪
【B】...

【A】
それでも此処で 紡がれたものは
あまりに鮮やかな 夢
冷めない熱に 浮かされるような
螺旋を 繰り返す
【B】
いつまでも ああ 瞼 閉じれば
あの日の君が まだ
今も ほら 笑ってるから
このまま もう少しだけ……...

【A】
薄闇の寝返りと浅い溜息
午前四時 ああ 今日も窓を叩く雨
【B】
纏わりつく微睡みは安らぎじゃなくて
左腕に残された冷たさが この胸 締め付ける
【C】
きっとあのドアはもう 開きはしないだろう
この部屋の窓には ねえ 朝はまだ あぁ 来ない
【A】...

【A】
Cry out！ 夜を滑る
Light upされたノイズ
Lo-fiなこの街で
High tuneな夢に溺れる
【A】
だいたい 興味もなくて
大概に麻痺しきった
平坦な“今日(イマ)”と“明日(ミライ)”を
合切 壊してあげましょう...

【サビ】
おやすみ この腕の中で 目を閉じたら
さあ 安らぎに溺れ 夜に沈みなさい
【A】
天鵞絨(ビロード)の帳に 香り立つのは
古い映画(シネマ)のような この《禁断の果実》(ゆうわく)
【B】
蝶のように誘われ 眠りなさい
蜜に酔い痴れたら ただ甘い夢を見るの
【サビ】...

【A】
白い壁 天井 狭い綺麗なベッド
見下ろす 窓の外 咲いてる あじさいの赤
【B】
小さなお城で 今夜も さあ 一緒に 遊びましょう
良い子にしていれば きっと おむかえがくるの……
【C】
痛い注射も ガマンするから お願い 早く 会いに来て？
ママの顔さえ 忘れちゃいそう
ほら あしおとが...

A】
操り糸を切り ギリリ ギリリ 螺子巻いてさ
空せ身 踊り出す 子供部屋の中
ほら、ほら！ 輪になって 早く、早く！ 遊びましょ さぁ！
それじゃあ始めましょ ダンツァ・マカブラ
さあ ようこそ お姫様 特等席へ
カラクリ くるくらり るらら るらら はしゃぎましょ さぁ！
パパ ママ 寝静まり...

【A】
森の中 深く 聞こえてくる 気まぐれな歌
ささめいて 揺れる木々たちの 密やかな手招き
【B】
懐かしい 微かな調べ まるであの夢の続きのように
そっと覗いた その先で 始まるよ《お伽話》(ファーブラ)
【C】
おいで さあ共に踊りましょう 一夜限りの《魔法》(マヒカ)
悪戯な《輪舞曲》(ロ...