<サビ>
君想ひて一つ
君焦がれて一つ
打ち鳴らすは半鐘の声
響け朱の空に


<Aメロ>
振袖の火に全ては灰となりて
逃れ仮宿 二人の事始め

<Bメロ>
切れた鼻緒 忍摺りの端切れを
手渡す瞬間(とき) 心乱れて爆ぜた


<Aメロ>
募る恋は 走らす筆のみぞ知る
積もる恋は 交わす文重ねゆく

<Bメロ>
忍ぶれども 物や思ふと問はれ
夢も現も 君に胸塞がれ

<サビ>
夜は炎宿し
昼はこの身やつし
篝火隠れてこの逢瀬
あはれ待宵草


間奏
(夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ)


<Bメロ>
見しやそれと 分かぬ間に朝ぼらけ
閨の隙(ひま)に射す朝日のつれなさ

<サビ>
明けぬ夜が無いなら
いっそ夜など要らぬ
胸の炎現世(うつしよ)にして
全て照らしつくせ


<Aメロ>
嗚呼 君がため弱りゆく我が玉の緒
嗚呼 身を尽くしても逢はむとぞ思ふ

<Bメロ>
煩悩(おもい)ゆえに罪も咎も忘れて
火打石が諸手の中で爆ぜた

<サビ>
舞い踊るは紅蓮
この身をも包んで
我失くして叩く鐘の音
全てすべて君へ…


<ラストサビ>
恋に狂う半鐘の声
届け君の空に

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

陽炎 【hi_ckeyさんに提供】

hi_ckeyさんの曲に応募させていただいたものです。
http://piapro.jp/content/v2esq4hkyo4d6rsb

曲の中に和歌を取り入れるという面白い発想でしたので興味を持ちました。
「夏の夜は~」は清原深養父の歌で、百人一首の36番目に入っています。
元の歌はせっかくの月を堪能できない心情を機知に富む古今調で詠んだ歌ということですが、まだ宵だと思っていたのに明けてしまう夏の短夜は夜の逢瀬を楽しむ恋人達にとっても恨めしいものだろうなぁと思いながら歌詞を書きました。


間奏に和歌があるということで、全体的に和の雰囲気が出るように。
今回は「八百屋お七」のお話をベースに、百人一首の自分の好きな和歌の表現を本歌取り。
題材にしようとして挫折した「たけくらべ」からも少しモチーフをもらっています。
時代バラバラですが……平安から明治まで幅広く;;
なんとか「夏の夜~」に通じるように纏められたかな、と思ってます。(そうかぁ?)
一部古語の仮名遣いになっていますが、現代仮名遣いに直していただいても構いません。

そして今回も悩みに悩んだタイトル……
これだけ考えるのに1時間は使ってます(言い過ぎ)
陽炎は、古文では「かげろふ」と「かぎろひ」という2つの読みがあります。
「かげろふ」は、現代の陽炎と同じ意味で気象現象を指します。これが転じて儚いもの、消えやすいもののたとえという意味もあります。生物のカゲロウをも思わせますね。
「かぎろひ」は「かげろふ」と同じ意味もありますが、それとは別に「明け方射し始める光」の意味もあります。
「陽炎」と漢字で書くことによってこの2つの意味を込めようと思いました。恋人を分かつ朝の光、若くして火刑に処されたお七の儚さを表現できる言葉だと思います。


前バージョンで全てひらがな表示になります。



* 追記 *

採用いただけたようです。ありがとうございます!
曲はコチラ
「陽炎」 http://piapro.jp/content/eqvi87yrria2ct4j

和風ロックに期待です!

閲覧数:313

投稿日:2009/08/27 03:44:29

文字数:502文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました