人の心を食べて生きている青い精霊
ある町の 丘の上の大樹から生まれた
青い精霊はいろんな人の心から少しずつ栄養をもらい
もらった心の隙間には素敵な夢を
夢を与えて心を奪う 青い精霊のことを誰も知らない
彼はひとり
幸せな町の 木に住んで
楽しい心ばかり食べていた

あるとき町で争いが起こり
精霊は苦い憎しみや悲しみしか食べられなくなった
苦い心から生まれるのは暗い夢ばかり
でも精霊は自分の空けてしまった心の穴を埋めるために
食べたものから作る闇の夢を返すしかない
もらった心より少しだけ大きな悪夢を
そして争いは激しさを増すばかり
精霊は気づいた
自分が心を食べるのをやめればよいのだと
そうすれば悪の感情を増やさずにすむのだと

力の抜けていく身体を大樹にもたれさせて
精霊は町が落ち着いていくのを感じた
人々の心には明るい夢が戻っただろうか
でも もう 動けない――

精霊が消えた丘の上は
今では子供の遊び場所
大樹の陰で昼寝をする子供たちの心は
輝きに満ちた夢でいっぱいだった

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

大樹の精霊

この前書いた心ネタで、まだまだ違ういろんな話が作れそう!って思ってたら書いちゃいました。
今回は詩です。頑張れば歌詞っぽく出来ない事も無さそうだったけれど、諦めました。
兄さん主役です。まじめな兄さんに明るい役をあげられなかった;

閲覧数:187

投稿日:2008/08/26 16:17:54

文字数:444文字

カテゴリ:その他

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