この小説は言わずと知れた名曲、カンタレラのMEIKOバージョンと合わせてみたを小説化したものです。
カイメイ前提のミクメイ要素があります。苦手な方はご注意ください。
MEIKO=メイリーナ、KAITO=カイザレ、ミク=ミクレツィアです。
自己解釈の個人的妄想の産物なので、多少はそういった部分もありますが、
ほとんどが歴史や人物像に真に迫っていません。二次創作の偽造設定です。
それでも許して頂けるお心の広い方のみお読みください。
読んでくださる方々のお暇つぶしになれるなら幸いです。
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カーテンの隙間から洩れる眩い日の光で、メイリーナは目を覚ました。
一瞬、見知らぬ天井に愕然とし飛び起きるも、すぐに修道院の一室ではなく幼い頃育った屋敷に昨日返って来た事を思い出した。
修道院での質素な生活に慣れきっていた為、慣れ直すには時間がいるだろうなと昨夜は眠れないと思っていたが、予想に反し天蓋付きの立派なベットに潜り込むと同時に急速に眠気が襲ってきた。
元から伯父やカイザレが使っていた様な、広々とした空間でない事も要因の一つだったのかもしれない。
当然だと、思う。
元々、この部屋は使用人部屋や物置に使われる為に作られた空間だったらしいが、今は使用人専用の家が敷地内の別館に作られているので、誰にも使われていなかった。
その部屋をまだ幼かったメイリーナは見つけだし、当初宛がわれていた部屋からこの部屋に移りたいと伯父に申しでたのだ。
伯父にはそんな古臭い部屋を子供の寝室にするのは危ないと反対されたが、メイリーナは譲らなかった。
等々、伯父はそんなメイリーナの頑固さに負け、部屋を改装する事を条件にこの部屋に住む事を許してくれた。
だが、改装してでもこの部屋の狭さまでは隠せない。
彼女が伯父に反抗するほどにこの部屋に拘ったのは、元から華美で異常なほどに広い空間が嫌いだった事もあったし、何より部屋に設けられているバルコニーからの眺めは広大な敷地内の庭に大量に植えられた薔薇や、塀の外の野原とその先にある森ですら一望できるほどに、絶景であった。
メイリーナは眠っていたベットから身体を起こした。
時計に目をやると、もう午前六時だった。
まずいと思ったが、これでも早い方だと思い改める。
修道院の起床時間は早く、日の出る前に起きなければならなかった為、
日の出の後に起きるのは悪い事の様に感じてしまう。
その時、扉が何者かにノックされる音が聞こえた。
「・・・・誰?」
「カイザレ様からメイリーナ様のお世話を仰せつかりました、使用人のテトと申します。恐れ入りますが、御起床の御準備は御整いでしょうか?」
ああ、そういえば昨日カイザレに赤褐色の髪をした十代半ば頃の使用人を紹介されたなと思いだす。
「ええ、整ってるわ。服は自分で着替えるから、朝食を持ってきくれない?」
「はい、畏まりました。」
屋敷には食堂があるが、カイザレや昨日初めて紹介されたミクレツィアという名前の、彼の異母兄妹らしい少女は自分の部屋で食事を取ると言っていた。
一緒に食事を取る者がいない事はどこか寂しさを覚えたが、カイザレには仕事があるだろうし、ミクレツィアにも彼女なりの事情があるのだろうと合点した。
部屋の片隅にあるクローゼットを開け、黒いドレスを取りだして着る。
伯父の喪に服す期間は三か月間だ。
その期間は黒色以外の衣服や、高価な宝石を身に付ける事は全面的に禁じられている。
程なくし、使用人の少女が朝食を持った来た。
修道院では見かけることすらなかった、豪華な料理だった。
メイリーナは昼食も同様に自分の部屋で取り、本や窓の外の景色を眺めたりしながら一日のほとんどを部屋の中で過ごした。
そして窓からは森に遮られていて見えないが、その先にある町の午後三時になった事を告げる教会の鐘の音が聞こえると、もうこんな時間かと思い部屋の中に一日中籠っているのは身体に良くないと、庭にある薔薇園に散歩に出かける事にした。
薔薇園は相変わらずだった。石畳で出来たテラスの上に立ちながら、思う。
返ってきた当初こそは戸惑いを感じてしまったが、昔の記憶と幾分も変わらないところを見つけるとやはり、懐かしさを覚える。
本当に何も変わっていない。
庭一面に咲き誇る真紅の薔薇も、クリーム色の可愛らしい東屋も。
「・・・メイリーナ様?」
後ろの方から声がした。
旋律の様な美しい声だった。
聞き覚えのある声に振り返ると、案の定そこには翡翠の様な髪や瞳の色をした、自分の従姉妹らしいミクレツィアという名前の、美しい少女が立っていた。
同性のメイリーナすら見惚れてしまいそうな、天使の様な微笑みを湛えている。
後ろに深緑の髪色をした使用人を従えていた。確か、グミという名前だったと思う。
「ミクレツィア様。」
そのメイリーナの第一声に、ミクレツィアはより一層口元を綻ばせた。
「今、お呼びしようと思っておりましたの。こんな天気の良い日に部屋の中に籠っていては勿体ないですし、庭の東屋で紅茶でも飲もうかと思いまして。メイリーナ様もご一緒にどうでしょうか?」
要するに話し相手に付き合えと言っているのだろうと、メイリーナは気軽に考え、
「ええ、こちらこそ喜んで。」
と言葉を返した。
退屈だったし断る理由などなかった。それに断れば相手に不愉快な思いをさせてしまうことだろう。
メイリーナがそう返すと、ミクレツィアは輝くばかりの眩しい笑みを顔に浮かべた。
カンタレラ <カイメイ> 第二話
前回の小説同様、無駄にだらだら長くなりました。
主要人物の三人も同時に出せてないし、それに別のボーカロイドも出て来ました。
ごめんなさい。この二人の名前は元からそれっぽいしそのままでも良いかな、と思い変えませんでした。
おまけに、話もまったく進んでない。(←おい
この小説、絶対にミクメイとカイメイに進展するまで時間がかかります。多分。
カイザレはもうすでに書いた通りにメイリーナの事が好きなんですが、メイリーナやミクレツィアはまだそういった感情を抱いてはいません。
・・・飽きられない様に頑張・・り・・・ます。(←絶対頑張る気ないだろ
こんな駄文を読んでもなお、続きを読んでくださるというとんでもない寛大な方がいらっしゃれば、続きの方も読んでくださると嬉しいです。
一部修正しました。
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