今日は七夕…とか言われている日…らしい。

あたしは七夕についてはよく知らない。どうせ子供だもんね。













めーちゃん！　めーちゃん！　と、忙しそうに廊下をばたばたと走るカイト兄の声が聞こえた。

何を急いでるんだろう…？


リビングでテレビを見ていたけど、気になったので廊下に顔を出してみた。


リ「なにやってんだろ…」


廊下を進んだその先にある玄関の前で、カイト兄はメイコ姉と何か話をしていた。

カイト兄の手にはいろいろな色の紙が握られていた。

メイコ姉は…葉がたくさんついている木のような…何かを持っていた。

普通は持つもの逆だよね。

権力の差なのかなぁｗｗ



気になったので廊下を進んでカイト兄たちのところへ行った。


リ「カイト兄、メイコ姉、何やってんの？」

メ「あらリン。これはねぇ、今から短冊を飾ろうと思ってね…。笹の葉を出してたのよ」

カ「この笹の葉はねー、マスターの友達がくれたんだよ」

リ「へぇ～…」


七夕もクリスマスと同じように何か飾るんだ…。


リ「で、短冊って何？」

カ「願い事を書く紙…みたいなものだよ」

リ「っていうか七夕って何？」

カ「織姫と彦星が一年に一度会える日だよ」

リ「ふーん…」


何か難しいなぁ…。


カ「リンも願い事を書いて飾ったら？」

リ「うん！」


カイト兄は私に短冊をくれた。


カ「あ、もう一枚あげるからレンに渡しておいて」

リ「はーい」




階段を上がって部屋に戻ると、レンはだらだらとしていた。情けない男だ。なんて言えないけど。



リ「レン？」

レ「んー…何？」

リ「これ、短冊。願い事書いて」

レ「へーい」



私も自分の机に座って願い事を考えてみる。

…うーん…いざとなると何も思い付かない…。



リ「レンー、願い事何にした？」

レ「秘密」

リ「つまんないの」







願い事を書いたけど、どうすればいいんだろ…。

とりあえずカイト兄のところへ…。



リ「カイト兄～！」

カ「あ、リン、願い事書いたの？」

リ「うん！」

カ「じゃあちょっと見せて！」

リ「だーめ」

カ「え――――…」

リ「カイト兄が教えてくれたらいいよ！」

カ「僕は…『みんなが幸せに暮らせますように』って書いたよ。はい、リンのも教えてね」

リ「私はねーぇ、『これからもずっとみんなといられますように』って書いた！」

カ「僕とリンの書いたこと似てるね。あはは！」

リ「だねｗｗｗ」




その夜、カイト兄とメイコ姉がみんなの短冊を回収していた。


メ「はーい、回収、回収、没収」

カ「何かひとつ別のことを言ったね、めーちゃんｗ」

メ「気のせいよ」


ミ「みんなは短冊になんて書いたの？」

ル「あたしは『素敵な歌がもっと歌えますように』って書いたわ」

グ「アタシはねー！　『歌がうまくなりますように』って書いたよ！」

ミ「グミ姉はもう十分うまいよｗｗ」

ル「ミクは？」

ミ「えっと、『ネギがたくさん食べられますように』って」

グ「あはははっ！　ネギほんとに好きだね！」



メ「もう全部回収し終わったわよね？」

カ「うん」

メ「代表して誰かのを読ませてもらおうかな」

カ「それいいね」

レ「えぇ！」

マ「読み上げるの！？」

グ「マスターは大人なんだからいいでしょ」

マ「よくない！」

ミ「罰ゲームみたいｗ」

ル「なつかしいわねｗｗ」

メ「えーっと、じゃあ、『俺の曲がミリオン達成しますように』だって。これはマスターよね」

マ「よ、読むなぁ～…」

レ「ミリオン？　無理無理ｗｗ」

リ「だよねｗｗ」

マ「何言ってんだリンレン！　ってか歌うのはお前たちなんだからな！」

カ「でも曲を作るのはマスターだよね！」

マ「う…うるさい！」

メ「はいはい、読んだあたしが悪かったわ。ごめんごめん」

マ「絶対謝ってないよね」


いつものことながら騒がしいｗｗ




みんなの願い、叶うといいなぁ。