ああ。今日も変わらぬ1日。
これからもずっとこんな日々が続くのか。
そう思うと、今にでも死にたくなる。
私の名は… 翼(ツバサ)。

「翼!調子乗ってんじゃないわよ。アンタが親にあたしたちのこと言ったせいで
先生に怒られたじゃない!アンタが悪いのよ、翼!!」

「別に、私たち何もしてないしぃ?チクるってどんだけ最低なことか、
低能なあなたには一生わからないでしょうね、翼」

麗桜(ウララ)と実乃梨(ミノリ)…
毎日私のことをいじめてくる。
そして、その2人にとってのボス的存在、

「調子乗ってるとかチクるとか最低とか、そんなことどーでもいいんだけどさ。
さっさとうちらの前から消えてくれない?翼ちゃん。」

椿姫(ツバキ)。家元が西園寺財閥という日本をしょってたつ大財閥のお嬢様。
そんな人たちに私はいじめられている。

なんでだろう。私は何も悪いことやったつもりはない。
なのになんで?麗桜や実乃梨、椿姫は………


でも、思い当たることがないと言ったらそれは別。
原因は、入学式の日の優樹(ユウキ)君についての問題が起きた。

中高一貫の学校だから、椿姫と優樹君は中等部から来てた。
私は高等部からだから、2人の関係をまったく知らなかった。
そのとき、椿姫と優樹君がフィアンセだなんて、知りもしなかった。

入学式の日、優樹君と私は廊下でぶつかり、
優樹君は無事だったものの、私は思いっきり転んで膝をすりむいた。
でも、ぶつかった原因は、優樹君なんだ。
優樹君が思いっきり廊下を走って、自ら私にぶつかってきたようなものだったんだもん。

だから、心配してくれて私を気遣ってくれた。
すりむいた膝に高級そうなハンカチをあて、急いでいるのか、
ハンカチを返さないままどこかへ行ってしまった。

後日、ハンカチを洗って優樹君に渡したところ、
椿姫に誤解されて…変な噂が学校中に流れたんだ。

優樹君と私の関係の噂だけじゃない。
椿姫が勝手に作り上げた、聞いただけで寒気がするようなありもしない噂まで。

みんな椿姫の家元を考えて、誰も逆らわないし疑わないんだ。
そしてあっという間に私は学校中の敵なんだ。

だから友達なんて1人もいないよ。
知り合いは何人かいても、友達なんて気軽に呼べるほど仲良くないし、
私が「友達!」なんて言った人間は、椿姫が嫌った人間の友達ってことになるから
友達でも、すれ違うたびに睨んできたりして、裏切られるようなことが毎日だよ。

でも家族には心配させられない。
幼稚園のときに父親が病気でなくなり、
それからずっと私と妹2人を、1人で育ててきたお母さんのために。
毎日「遊んで!」と無邪気な笑顔で駆け寄ってくる妹2人のために。
毎日みんなで囲む、暖かい食事のために。
だから、家に帰ったらいつもいつも笑顔を絶やさないようにしている。だけど…


…だけど、もう我慢の限界だよ。
どうしようもなく苦しい、悲しい、辛いよ。

麗桜、実乃梨、椿姫をはじめとするいじめに
嘆いていた、嘆くことしかできなかった。


そんなとき、私の人生の3度目の転機がやってきた。

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翼の未来【第1話】

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いじめをテーマとした物語です。

翼の転機は何なのでしょうか?
2話の更新は、たぶんかなり遅くなりますが…
お楽しみにヽ(^0^)ノ

閲覧数:133

投稿日:2012/11/18 00:54:48

文字数:1,296文字

カテゴリ:小説

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    ∀璃菜 -rina-*さん お久しぶりです
    小説おもろかったぉ!!
    書き方がもうマジでプロ並みじゃないですか!?
    第2話楽しみデス☆☆

    2012/11/18 12:27:38

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