「うわぁ···知らない人多い···」
今年から中学生になった実空は思わず声を出してしまう。
「そうだ。クラス確認しなきゃ。」
そう言って一番人の多いクラス名簿の掲示場所へ行った。
···
「ん~あ、有った!」
人より背が低い訳じゃないが探すのには時間がかかった。目が悪い、というのもあるが。
「えっ···と···2組?かな?」
ざっと名簿を見たところ、小学生の時に虐めていた女子とは離れられた。
新年早々運が良いことだ。
「実ー空ちゃーん!!」
後ろから急に抱きついてきたのは親友の稟だ。
「わぁ!なんだ稟かぁ···稟は何組だったの?」
「稟は2組だったよー!!実空はー?」
「本当?私も2組だよ!」
「嘘!やったあ!!今年もよろしくね!」
そんな話をしていると入学式の開始時刻になった。
「実空ー早く行くよ!」
「う、うん!」
そう言って会場まで向かった。
···
「嫌ー、長かったね!」
「そうだね···」
特に稟の名字は朝木だから呼ばれるのが早いためもっと長く感じただろう。
私は渡良瀬で一番最後だけど。
「はーい席つけー」
担任···名前は知らないが先生が声をかける。
「はい、先生の名前は川瀬海人だ。1年よろしくなー」
そう言ってまばらな拍手が聞こえた。
···
「ホームルームも長いとか何なの!?」
帰り際に稟が嘆いていた。
「まあまあ落ち着いて···そういえば稟は何部に入るの?」
「やだな実空も知ってるでしょ?バレー部だよ。実空は?やっぱ美術とか?」
「私は···吹奏楽とか良いかなって思う。」
「ええ!意外!平気なの!?」
「平気じゃないかな···あはは···」
···
時の流れとは残酷なものである。
憔悴しきった実空は吹奏楽部の体験入部に来ていた。
「あっ、実空ちゃん」
そこには忌々しきイケてる女子グループのメンバー2人がいた。
しかし逆に言えば2人しかいない。他は違う学校だった子。
つまりまだチャンスはあると!!
吹奏楽部の先輩からは色々な声が飛び交っていた。
しかし私の目には一つの楽器···フルートしか目にはいっていなかった。
実空は前からフルートをやりたいと思っていた。もちろん吹けたら、だが。
実空は期待に満ちた顔で体験へ行った。···
結果。人数の関係でフルートの体験に3回行くことになった。
別に悪いことじゃないが。
しかし勝負はここからだ。顧問の判断によるパート決めがある。
これを乗り切らねばなるまい!
···
数日後。
私たち総勢9名は部室に呼ばれた。
「これからパートを発表する。聞き間違えの無いように。」
「まず···渡良瀬。渡良瀬は···」
お願い。フルートに____________

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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吹!(学園パロ

実話である

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投稿日:2018/07/04 23:44:04

文字数:1,118文字

カテゴリ:小説

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