「なぁミク?」

「何?」


今夜も、また始まる。


"待ってる"




私は、いつも思う。
男達にとっては、この際、心なんてどうでもいいのね。
なんて。
そんなのはお門違いよ。


「…フッ」


まぁ、楽しいことをしようと思えば、悪くはない話なんだろうけれど…

一体、それで私の心がいつどうなるのかなんて、わからないわね。


そう思いながら、仕度を始めた




「待った?」

「大丈夫だよ。さぁ、入って。」


急かされるのはあまり好きではない。

だけど、今日も私を満足させてくれる?















ねぇ…


貴方が囁く言葉は本当?


私には耳を素通りするだけなの


目をつぶっても


何をしても


心には痛く染みる


それだけなのに


この感触は


…好き




「好きだよミク」

「…ん」


まだダメ


もっと


もっと


欲張りな私だから


「ねえ?」

「何?」

「私を本気にさせてみてよ」

「え?」


挑発してみる


「ミクは十分本気だろ?」


笑ってごまかす貴方が嫌い


「あぁ、そう。」


そうやって逃げるんだ


「…私は、安い女じゃないわよ」


立ち上がり彼に背を向けた


「おい、悪かったって」


何がよ
嘘ばかり吐いて、離れたらまた嘘を吐く




引き止めようとキスをされる




「……苦い」


煙草を吸う彼のキスは苦い


「機嫌直った?」


「…悪くはない」


「ははは、我儘な奴!」


「何が?」


「さっきの言葉で拗ねたのか?バカらしいな」


「言いたいだけ言えば良いじゃない」


嘘ばかり吐く安い他人(おとこ)の価値観なんて知らないわ




これを繰り返し

幸せを掴もうと頑張った私の手からは

脆くも崩れ落ちる愛

愛は軽く

落ちながらも

ひらひらくるくると

舞い踊る




堕落した華(わたし)の様に


欲で満ちた紫色の様に




妖艶で


中毒になる




「もう、どうでもいいの」


「俺のこと嫌いか?」


「さぁ、好き嫌いの問題じゃないわ」


「…どういうことか、わかんないな」


「好き嫌いかという価値もない」


「随分と酷い言われようだ」


彼は苦笑しつつも、私の頭を撫でた


私の閉まっていた感情を、これ以上、引き出さないでほしい


本当は………


「………」


…私の心の中は黒い

純粋だった頃なんて、思い出したら

今の私が壊れてしまう
















『ミクは、将来の嫁だ!』


『え?勝手にそんなこと決めないでよ。うざい。』


『はあ!?この俺の嫁にしてやるっつってるんだから、なれよ!』


『私だって、アンタの嫁くらいになれる価値はあるんだから、それ相応な価値があるのではなくて?だったら、断る権利もある。』


『チッ…可愛いげのねぇやつ』


そう言いながらも、頭をくしゃくしゃと撫でてくれる貴方が好きだったの

















「ミク?…」


「…!」


「泣いてるのか…?」


「…見ればわかるでしょ?」


「昔から変わんないよな」


「……え?」


「変に強がる所とか、我儘な所とか、馬鹿な所とか…」


「なっ!…」


「でもな、変に強がるのは、人を信じれないから。我儘なのは、どれだけ信じることが出来るか試そうとするから。馬鹿な所は…」




ギュッ………




「…?」


「一人で抱え込んで、考えて、無理矢理解決すること」


「…っ」




涙が止まらない


何故?


他人事とまで考えていた私の中の思いが、今となって溢れ出す


感情のままに
















潤んだ瞳で見つめないでほしい

私は、本当はそんなに我慢強い女ではない

かと言って、我儘かと言われれば違う


貴方は分かっていたの?


私で楽しんでたの?


…あっ


"ミクは十分本気だろ?"


安い男の方が一枚上手だった


相変わらず性格は悪いけれども




「ねえ?」


「何?」


「…好き」




本能?


理性?


どちらが勝つの?




貴方が欲しい


魅入ってしまうほど素敵な貴方が欲しいの


貴方も私が欲しい?


貴方の口からは聞いてない




「私が欲しい?」


「…もちろん」


「言葉にして言ってくれないと、わからないの」


「馬鹿だからな」


「そうかもね」


「嘘…俺はミクが欲しいよ?本当に。ミクが信じてくれればいいんだけどな。」




そう言いながらも笑っている貴方は確信犯ね

私の負けだわ















今までの

気持ちいいとか

嬉しいとか

所詮そんなのは自己満足で




そういうのは

元から関係なかったんじゃないかと思えてきた

思いは投げ捨てちゃえばいいなんて

今だけは思わせて















もう、関係ない

柵(しがらみ)は0


「もう、好きになっちゃえばいいよ」


「そうかもな」


「この関係の何処に不満があるっていうのか…」


「俺はないけどね」


「ここまできたら…」




次の言葉を言おうとした瞬間に、彼は私の口を人差し指で押さえた


すると





「逃がさないし、離さない。覚悟しろよ。」















今だけはこの快楽に溺れたい


信じ合えた目を見つめる


それだけで幸せ




「ミク…愛してる」




あぁ、もうダメ。




「私も」




────愛してる


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【歌詞を私的解釈!?】え?あぁ、そう。【アレンジ風小説】

最後まで読んでいただきありがとうございました!

え?あぁ、そう。を聞いていたら、ちょっとドロドロな小説を書いてみたい…なんて思ってしまった今日の朝。←

私的な解釈に、私的なアレンジを勝手に加えて(土下座)小説を書かせていただきました。

蝶々Pさんの曲は、本当に大好きです。


大人な雰囲気がたまりません!!

小説でも、そこら辺を駄文ながらも感じ取って頂けたら嬉しいです!


読み終わった後に、感想など頂けたら泣いて喜ぶと思いますので、良ければ感想お願いします(●^∀^●)


本家動画様⇒http://www.nicovideo.jp/watch/sm10122021

閲覧数:38,452

投稿日:2011/02/15 22:18:39

文字数:2,367文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました