ルカミク 百合注意><
スタジオなどの詳細は想像ですすいませんっ



 「お疲れさん。君の名前聞いてもいいかな?」
 あれから何度か取り直し、それでおしまいになった。彼女と一緒にいる時間が終わってしまったのかと思うとすごく残念で、もっと歌いたかったと思う。
 解散~みたいな状況になって、私にも「おつかれー」なんて声がかけられる。「お疲れ様です」なんて返しながら、私はとんでもないことをしてしまったんじゃないかと思った。だって、勝手に人の歌を歌って、とってしまったのだ。
 「え、えと、その、私………」
 「ん?ああ、君が素人だってことは分かってるから。心配しないで」
 「え?」
 「どうせルカちゃんは何も言わずに君をひっぱって来たんじゃない?説明なんてする子じゃないからね~。あはは」
 いや、あははじゃないです。
 「変わりに説明するけど、君が歌うはずだったパートの子が辞退しちゃったんだ。そんで、この歌をどうするかって相談してたらルカちゃんがこの曲を歌いたいのって口論になってね。じゃぁ誰が歌うんだって話し、誰でもいいからつれてくるって飛び出して、すぐ帰ってきたと思ったら君を連れていたわけ」
 「は、はぁ………」
 つまり、なんだ、あの罪悪感は必要なかったってこと?というか誰でもいいってところに泣きそう……。
 「でもいいものがとれた。それで…」
 「あ、あの!彼女の名前って、巡音ルカさんですか!?」
 「え、あ、そうだけど……ルカちゃん自己紹介もしてないの……?」
 巡音ルカ。めぐりねるか。めぐりねる……ややややややっぱり!?嘘、いやだから都合とタイミングよずぎ!え、どうしよう、なんて、なんて言えば…!?
 と、後ろからルカさんが声をかけてきた。びく!としながら振り返る。
 「リン。行くわよ」
 「えええええと、どどど何処にでせうか」
 「帰るの。送ってあげるから付き合いなさい」
 「かかかしこまりました」
 どうしようどうしよう。綺麗な上に巡音ルカさんだったなんて!しかも送るって!どうしよう!
 私はすでに呼吸困難になりそうな状態で、巡音ルカさんに着いていった。帰ってから気づいたけど、あの人に名前教えるの忘れた………。

 「乗って」
 「は、はい」
 車だと聞いていたから自家用車かとおもったらタクシーだった。傷つけてはいけない類のものが(シートとか)沢山あるのって落ち着かない。それに横にはあの歌を歌っている巡巡音ルカさんが乗っているのでさらに落ち着かない。それでも何か、何か話さないと!今日のお礼とか、あの歌の感想とか!
 私が口を開いたと同時に、巡音ルカさんも口を開いた。でも私の方が声が遅れていたので彼女の方から話し始めた。
 「今日はごめんなさいね。混乱したでしょう」
 「あ、はい。でも楽しかったです!ありがとうございました!」
 とりあえずお礼。お礼から。
 「そう。ならよかったわ。それともう一つ、お願いがあるの」
 「はい!なんなりと」
 あの歌の感想、感想を。
 「リン。 私の名前、呼んでみてくれないかしら」
 「昨日からファンにな………はい?」
 「名前。知ってるでしょ」
 前を向いていた巡音ルカさんが私を見つめた。正視されたことに動揺する。なんでそんなことを言うのかも分からない。
 「えっと…巡音ルカさん」
 「名前。ルカ、でしょ。物わかり悪いわね」
 「すいません……」
 ルカ?
……………………ええええええええ!やばい!はずかしい!
 「る、るるるるるる」
 「誰が歌えと言ったのよ」
 「る、るーるーっ」
 「はやく」
 まって!どこでそんなフラグ立ったの!?いやいやいやウタヒメですよ!?しかもこんなに綺麗なんだから老若男女ひっかけ放題!いやでもあんまりひっかけないで欲しいな…というかそういえばさっきだって私のことリンって!
 ……………あ。
 「あの…えっと、……………ルカ………?」
 「ん」
 彼女すこしだけ、ほんの少しだけ頬をゆるめた。なんだか満足した顔で、目が優しくなった気がする。
 「もっと」
 「…………ルカ」
 「ん」
 あああああ、甘えられてる気がするるるるる。というかこのギャップが超可愛いんですけどこれが巷でいう萌えみたいなリアルで体験するの初めry
 あと、そうだ。ひとつ謝らないと。
 「あの、………ルカ。謝りたいことが一つ………」
 「ん?なによ」
 「私の名前、本当は違うの」
 「? リンじゃないの?」
 つい頭の中にいた従妹の名前を言ってしまったことを後悔する。
 「私の名前は初音ミク。リンは従妹の名前です…」
 「……ふぅん。そう。まぁいろいろと遅いでしょうけど、まぁいいわ」
 「遅い、ですか…」
 「遅いわよ。今頃CDには『巡音ルカ×鏡音リン』で刷ってるわ」
 「ええええええ」
 それはまずい。やばい。どうしよう。困る。怒られる!
 「というのは冗談よ。あとで電話しといてあげる。でも本名でいいの?私生活が大変になるわよ」
 「うーん…ルカさ…ルカは本名?」
 「ええ。隠す必要がないもの」
 ではなぜプロフィールを公開してくれないんですかウタヒメさん…。結構ファンとしては気になるんですけど…。あ、その話じゃない。
 「ルカが本名なら、私も一緒がいい…です」
 「別に無理に敬語は要らないわ。ミク、中学生でしょ?」
 「あ、うん」
 なんで分かるのって自分制服だっけ。そういうのって高校と中学なんとなく分かるよね。子供っぽいのかな、やっぱり。
 「私は高校1年。そんなに離れてないもの。それにこれから一緒に仕事してくんだし」
 「あ、ひとつしか変わらないんだ…って、え、仕事?」
 なんだか聞き流せない言葉が聞こえた気がするんですけど………?
 「当然でしょ。デビューおめでとう」
 「えええええ!?」
 「ま、正式なのは今度するんじゃない?知らないけど」
 「えええ、えええええ」

 まさかの展開。でも、ルカと歌えたことが一番嬉しかった。
 もう少ししてもっと仲良くなれたら、聞いてみようかな。
 貴女。
 誰なんですか?って。


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  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

白いソト 第一話 下

まさかの展開=私の台詞

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投稿日:2010/02/25 12:36:11

文字数:2,531文字

カテゴリ:小説

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