指さした一点だけに価値がある
それ以外を全て捨てても
何も厭わずに目指していた
何も迷わずに駆け抜けてた

ある日歯車がギリギリ回って
「そんな場所はもう無い」って
地図は書き換わって新しいのに
僕の頭はまだ古いままだった

放り出されたケモノみたいだ
群れを忘れ始まりを忘れ
彷徨ううちに倒れて消える
今まで何やってたんだっけ

代わりの場所なんてどこにもない
違う価値なんて知りたくもない
それじゃあどうするんだって
砂埃が笑って着いてくる


破れそうな古地図を広げてみる
知らない場所はこんなにも
何も見ないで走っていた
誰もいないの気付いていた

ある朝緞帳がボタボタ落ちて
「こんな場所はもう古い」って
世界は最初から広かったのに
僕の心はまだ狭いままだった

海を見つけたサカナみたいだ
沼を忘れ広い池を忘れ
流れる内に食べられ消える
今まで何したかったんだっけ

本当の場所なんてどこにもない
別の意味なんて知りたくもない
それじゃあどうするんだって
冷たい波が頭を冷やす


ひとつだけの望みが消えた
何も無い世界に一人きり
誰もが僕の話で笑うんだ
「ここをそれにすればいい」って

目指す場所が有るってだけで
考えないことを装ってた
世界が広いこと知ってたのに
見ないふりを偽ってた

最高級の幸せしか認めずに
手に入るものは全て無価値と
理想郷で許されれば僕も
暖かくなれるはずだったのに

「想いの基に熱はある」なんて
棄てられた僕に望みはないのに
冷たくなろうと横たわっても
太陽が無理矢理僕を焦がす


本当の場所なんてどこにもない
別の意味なんて知りたくもない
それじゃあどうするんだって
暖かな風が涙を誘う


「その向こうにだって行ける」
目を閉じたまま聞こえた声は
古いままの見たことない世界
急ぐ必要は無くなったね

輝く星が暖かく感じたら
どこにいたってその場所になる
忘れた場所も捨てた望みも
胸の奥にしまいこんで


小さく微笑んで迎えに行こう
幸せな明日と昨日の忘れ物を

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ノゾミヲステロ

閲覧数:42

投稿日:2022/04/08 20:27:36

文字数:858文字

カテゴリ:歌詞

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