11月04日 PM09:00
マスターから電話がかかった。
明日は……私の5周年の誕生日ということで、特別ステージで歌わせてくれるらしい。
今思えば、もう、私がデビューして5年も経ったのね……。
ミクがデビューした2007年08月31日から数日後が、第二次ボーカロイドブームの始まりで、ほとんど、ミクがいてくれたから…今があると思う……。
妹だけど……ミクには………ミクが生まれてきてくれたことには、本当に感謝している。
そして……ミクだけじゃない。
リン、レン、ルカ、がくぽにグミ、カイトにだって―――――
――――みんなが生まれてきてくれたことに感謝をしている。――――
もちろん……私たちを生み出してくれた……なんていう会社なのかは分からないけど……VOCALOIDエンジンを開発して、私たちの『芯』を作ってくれた人たちにも、それに、私たちのような、『声』を与えてくれた人たちにも……………。
―――――――ありがとうだけじゃ、全く足りないくらい。―――――――
だから…私は……歌を歌う。
今日は、珍しく、カイトはまだ起きてるみたいだ。
いつもはいるはずのカイトが、今日は私の隣にいない。
カイト……………、なにをしてるの……?
「僕たち、VOCALOIDは、開発者が設定した歳で、生まれてくる。だけど……生まれる前は、まだ、意識がない。けど、みんなと早く歌いたくて、その研究所に時々行ってしまうことがある……………。
そして、まだあの時は眠っていた君たちの手を握って、『はやく、一緒に歌おう。』と……、言っていた。」
カイト兄さんは、珍しく、真剣な面持ちで、こう語った。不意に、
「もちろん、そのあとは研究者の人につまみ出されたよ……、『まだ待ってくれ』ってね……。」
でも、そういった感覚は、確かにあった。
「もしかして……2年以上も前……、私があのカプセルから出てくる前のころに、『待ってるからね…』って、言ったのって……、カイト兄さんだったの?」
「多分……っていうか、そうだった。はっきりと覚えてる。 なにしろ、日本製VOCALOID2第一号で、俺の後輩第一号だったからね。」
「後ろのやつは余計だってば………。」
私が返した言葉に、くすくすと笑ってから、カイト兄さんは、こう言った。
「後輩ができるのは……大変だし、責任も重くなる……だけど、そのかわりに、とても楽しくて、にぎやかになる………。それは、ミクにも分かるよね。」
「うん。リン・レンが来た時には、本当に、嬉しかった……。二人って聞かされてなかったから、余計にね。」
「前、レオン兄さんに電話をかけた時に、泣いていたのは、そういうことだったんだ。普段と変わらないなかに、特別なことがあるってことに気づいてね。」
「毎日が、特別ってこと?」
「そう。誕生日とか、いろんな記念日を作るのもいい……。けど、毎日が、何かしらと特別なんだよ。」
「そういうことだったのね………、なんか、いつものカイト兄さんじゃないみたい。」
「それ、どういう意味だよ…(笑)」
「ただ―――」
最後に、と添えて、カイト兄さんが、言った。
「毎日が特別なんだけど、それを気づかせてくれるのが、だれでもある誕生日だと思う。」
「そんなこと、考えてたんだね……。カイト兄さん、見直しちゃった。」
ヘヘッと笑ってから、私たちは、明日の誕生祭への準備へと戻った。
生んでくれた人々に……ありがとうを何度言っても足りないから……。
私たちVOCALOIDは、歌を歌う。
歌を歌って、世界へと届ける……。
【MEIKO誕生祭2009】 VOCALOIDが歌う意味 第四話 ありがとうじゃ、伝えきれない。
どうも、やっとタイトルが決まった!!
ヒョンなことから初音ミクの消失を聞いてしまいそのおかげで無駄にVOCALOIDにハマってしまってその穴から抜け出せなくなってあがいているかもしれないPです(違う!/しかも長過ギル)
違います。霧田優希です。上の奴だったら確実に最長のP名ですよ(リア友につけられたP名なんですけどね/しかもうろ覚え)
いつから、こんな路線に行ったのかはわかりません。
案外、守備範囲広かったりします。(極端にグロいのもある程度はOKだし…ただ、BLとかアッチ系のは無理)
時間ないんで、次に行きます(お粗末様です。)
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