[ａ]

いつだって いつだって…
あいつは マイペース

鼓動がどんなに速くなっても
時間は進まないし止まらない
歩く速度は変わりはしない

こんなに好きなのに
ぴったりくっついてられる時間は
ほんの僅か

それでもあいつは
ゆっくりとしか付いてこられないし
僕も 追い越して
追いかけるばかり

いつまでたっても
ゆっくりなんて出来ない僕たち
すれ違ってばかりいて

お互いの気持ちを確かめる時間が
もっとあればいいのに


それでも
僕らが僕らでなきゃ
出会えていなかった

その背中を追って
振り向いたあいつを
抱き締めていられる

ずっと、ずっと
追いかけ 焦がれている


この気持ち
のんびり屋なあいつは
ちゃんと分かってくれてる？

一緒にいる時間は短すぎて
その身体をギュッと
抱き締めるだけで
終わってしまうから

ようやく触れられた喜びで
いっぱいになってしまうから

いつか確かめられる日は
来るんだろうか？

わからない、けれど

その日を信じて、
僕は今日も走り続ける

ああ、
愛しい背中が見えてきた


あと少し、
もうすぐ、

その身体を腕に閉じこめて
祝福の音が聴こえるその瞬間が
僕は一番 愛おしい



[ｂ]

いつも いつも…
あの人は嵐みたいな人

身体を抱きしめる腕
優しく触れてくる細長い指先が
どんなに苦しいか分かってない

どんなにこの思いが募っても
一緒に過ごせる時間は
変わらない


それでも あの人に
追い付くことができない
あっと言う間に追い越されて
いつも後ろからばかり現れる

いつまでたっても
正面向かって抱き締められずに
すれ違ってばかり

お互いの気持ちを確かめる時間が
もっとあったらいいのに


それでも
ボクらがボクらだから
出会えた

まっすぐな背中
いつも抱き締めてくる手を
繋いでいられる

ずっと、ずっと
想い 恋している


この気持ち
せっかちなあの人にも
伝わっている？

寄り添っている時間は短すぎて
その手をぎゅっと
握り返すだけで
過ぎてしまうから

触れられる喜びで
苦しくなってしまうから

いつか伝えられる日は
来るのかな？

わからない、けれど

その日を信じて
ボクは今日も耳を澄ませる

ああ、
恋しい足音が近付いてくる


あとちょっと、
もうちょっと、

その腕に閉じこめられて
祝福の音が聴こえるその瞬間が
ボクは一番恋しい