兄さんはいつも笑顔だった。
  僕が笑顔でいられるように。

  兄さんが僕に涙を見せたことはなかった。
  それを知った後、僕も兄さんに涙を見せたことはなかった。


  5年あと、兄さんが死んだ。

  長男だった兄さんは、どうしてか事故で死んだ。
  僕のもう一人の、次男の兄さんは、そのときちっとも泣いていなかった。

  でも、僕はその時は、とにかく、とにかく泣いた。




  でも、兄さんは写真でも笑ってる。
  だから、僕も笑わなくちゃ。
  兄さんが、心配しないように―――


 「不謹慎だからやめなさい、帯人」


  それは、兄さんも、喜ばないことだろうか…?

  考えれば考える程、僕の頭でぐるぐるまわった。



  だから僕は、ずっとずっと笑わないことにした。
  誰も、悲しくも、苦しくも、涙を流すことも、無いように。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

 僕が笑顔を無くしたとき

「君が笑ったとき」帯人くん頑張ってます。
 申し訳ないことに作者の趣味満載になりましたね。申し訳ないです。しかも三男が帯人くんです。
 すると、長男と二男は・・・?
 わたしと趣味が一緒の人はわかるかなあ・・・?

閲覧数:123

投稿日:2011/04/11 22:23:14

文字数:381文字

カテゴリ:小説

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