≪その魔王はまるで恋する乙女のように 3【自己解釈】≫
【魔王side・2】
……なんだこのメールは。
気持ち解るけど、あーいうおじさん見てると腹立つんだよ! テレビでひどいこと言ったら青森のおじいちゃんにこっぴどく叱られるし! 全国放送って意外と怖いんだぜ?!
……あぁ、なんだか悲しい。
あれから三日経ったけどまだ来ない。
こんなんじゃidentityが瓦解する……そうだ! さっき俺が入れ替えたカミツレの花で花占いをするんだ!
来る
来ない
来る
来ない
……おいおい、ここまできて……。
来る
来ない
……来てくれよ……!
そして――最後の一枚が残った。
【勇者side・2】
加湿器が壊れてしまった。
買いにいかなきゃなあ。一番近いのあそこかな。新宿の駅にあるあそこ。あそこ安いしなにしろポイントカードあるし勇者割が効いて三割引だし。
よし。鎧も着たし財布も持った。行くか。
……あ、あいつのところ行ってみようかな。
【魔王side・3】
――――来る。
「よっ、魔王」
そしてまじで来たー!? おまえ事前連絡しとけよ?! 俺のハートチキンなの知ってるじゃん!!
「いやー加湿器買ったついでに思い出したからちょっと寄ってみたよ」
そうかそうか、ならば戦え。
「えっ、そうじゃないよ。せっかくだし飲みに行かね?」
…………は?
なんだよなんだよなんだよ!! 俺の気持ち軽く踏みにじるなし!! てっきり魔王退治かと思ったろ?! ってよく見たら剣持ってねえし!! ガチでヤル気なかったの?!
別に……優しくされたいんじゃ……。
「……もしかして予定が埋まってるとか? おいしいおでん屋さんがあるからどーかなと思ったんだけど」
……まぁ、行くけどさ。
断る理由ないし。なんだかんだでこいつ数少ない親友だし……。
財布は忘れないように、ポケットに仕舞った。
さあ、飲みに行くか。
おわり。
【完結編】その魔王はまるで恋する乙女のように 3【自己解釈】
原作:http://www.nicovideo.jp/watch/sm19550230
魔王は魔王らしくないいい人だった。
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