初恋メロディー 過去巡り そのにー
「………はい?」
ハナの返事に私は
「はい?やってくれるの?私と一緒に合唱部作ってくれるの?
ありがと~ハナ~~、持つべきは友ね~大好き~~」
にっこり笑顔でゴリ押しすると
「いやいやいやっ!!何ナチュラルにゴリ押そうとしてんのよ!?
やんないよっ!!嫌だよ!!ありえないよっ!!」
手を高速で振りながら拒絶されてしまった。
けど!
「やっぱりあの辛さを一緒に乗り越えたからね~
ハナだったらOKしてくれると思ってたわ~~ありがとう~~」
再度ゴリ押ししたが
「聞いてる!?私が言ってること聞こえてる!?
やんないって言ってるじゃん!嫌だよ!もうあんな練習やりたくないよ!!」
ハナに思いっきり拒絶された
「え~~?なんで~?ダメなの?」
「い!や!だっ!ダーメッ!もうやりたくないの!
あんなキツイ練習やりたくないの!?もう嫌なの!!」
「大丈夫大丈夫!あんなキツイ練習はやらないよ…………多分」
「何だよ多分って!?やらせる気あるの!?嫌だよ!!」
「駄目…かぁ~」
ハナの言葉に
やっぱりか~~、予想通りだ……はぁ~~
私ががっくりとうなだれるとハナが
「流香はなんで合唱部を作ろうって思ったのよ?
流香だって練習キツイからもう嫌だ。って言ってたじゃない?何でよ?」
当然の疑問を聞いてきたが
「え?え、え~~と、それは……」
い、言いたくない…すっごく言いたくない…
言ったらからかわれるか、怒られるかのどっちかだから言いたくない…
あぁ…えぇ…と私がオロオロしてると
「何よ?無いの?無いのに作ろうって言ってるの?」
「い、いや…あるにはあるんだけど……そのぉ…えっとぉ…」
「あるの?じゃあ言いなさいよ?何で?」
「え、え~~と…その…」
ハナから視線をそらし言いよどんでいると
「何よ?何がそんなに言い辛いのよ?そんなに言い辛い理由なの?」
勘ぐられてしまった
言い辛い…言い辛いです…
言ったら、はぁ?馬鹿じゃないの?って言われそうだし…
「あ、あれよ。みんなでまた合唱部やりたいな~って思っただけだよ」
「はい嘘ですね。本当の理由は?」
私の嘘はあっさりと破られてしまった
「え~~言いたくない…言ったらハナ…怒りそうだもん…」
「私が怒るような理由なの?どんな理由なのよ?」
「ハナが怒らないなら…言ってもいいけど……怒りそうだから言いたくない」
それに…かなり………恥ずかしいし…
だから言いたくない…
私が少しモジモジしていると
「怒らないから言ってみなさい。
頭ごなしに合唱部を作るなって反対もしないからさ…」
仕方ないなぁ…みたいな笑顔でハナがそう言うので
恥ずかしいなぁ…うぅ…言いたくないよぉ…
私は観念して
「えっとね……………って言うから…」
「はい?聞こえない。何だって?」
「だから…………って言うから…」
「聞こえないって。もっと大きく言ってよ」
「もうやだ…………って言うから……もういいでしょ?ハナ…」
「だからー!聞こえないからもっと大きな声で言ってよ!」
「うぅ…ハナが苛める……………って言うからだってば…恥ずかしい…」
私はハナに小声で理由を言ってる間、どんどん顔が赤くなっていた。
が、
「だー!かー!らー!聞こえないって言ってんでしょ!?」
ハナが怒ったので
「うぅ…ハナが怒った…怒らないって言ったのに…嘘つき…」
私が涙目でハナを見ると
「あんたの声が小さすぎるからでしょーよっ!?
何言ってんだアンタ!?しかも何で顔が赤くなってんの?何?なんで?」
「だ、だ、だ、だって~、だって~~」
「どんな理由なんだよっ!?
分かった分かった……はい、これで良いでしょ?言ってごらん」
ハナは私にかなり耳を近づけたので、内緒話をするみたいな形になった
「うぅ~、あのね……………って言うからなの…」
私はハナの耳に手を当てて理由を言うと
「………」
「…………」
「………」
すっ、とハナが私から無言で離れた後
「はぁぁぁぁ??ガク君がまた合唱部見たいって言ったから~~??
何だそりゃ!?好きな男の為?マジでか!?アンタ本気か!?はあぁぁぁ?」
ハナの言葉に私はビックリして
「やめてよっ!!大きい声で言わないでよ!!ハナの馬鹿っ!!」
とハナの口を塞いだが
「~~~だっ!やめろ!離せ!!だってあんた本気か!?
本気でそんな理由で合唱部やろうって言ってんのか!?ありえんだろ!!」
「だから大きい声出さないでよ!!誰か聞いてたらどーすんの!?
静かにしてよ!!しゃべっちゃ駄目っ!!」
「そんな理由で作ろうなんて言ってたのか!?やめろやめろ!!
合唱部なんて作るんじゃない!!つーか作るなっ!!」
「さっき頭ごなしに否定しないって言ったじゃん!?
嘘つき!!ハナの嘘つき!!酷いよ!!バカッ!!」
「バカ!?バカはお前だろ!?何考えてんだよ!?んな理由でみんなを
どーやって集めるの!?同じ中学の好きな男に良いトコ見せたいので協力して
くださーい!って言うのか?集まらんだろそんな理由じゃ!?」
「大きい声出さないでってば!!止めてよ!!止めて!!」
「あっ!別に同じ中学の私じゃなくてもいいのか…分かったゴメン流香。
誰か別の子に当たってくれ、それなら止めないから。じゃ!」
とハナが私から離れようとするので
「待って!!違うの!!うち等じゃなきゃ駄目なの!!」
とハナの手を掴むと
「はぁ?どーしてよ?つーかうち等って誰よ?」
「それは、そのぉ…うち等ってのは合唱部のみんなのことで…」
バツが悪く私が言うと
「はぁぁ~~?合唱部のみんな~~?あんた本気か?本気で言ってんの?
みんな合唱部はもう嫌だって言ってたの、アンタだって知ってるでしょ?
それなのにマジで?うち等じゃなきゃ駄目な理由でもあるの?何?」
「そ、それはそのぉ……い、いいでしょ別に…」
「いや…よくないよ?何でよ?どんな理由なのよ?」
ううぅ…もう恥ずかしくて死にそう…
自分の顔がかなり真っ赤になってるのが分かる
い、言いたくない~~、言ったらハナまた怒る~~
「え、えっと…その…ガ、ガク君が…」
「ガク君が何よ?はい!?まさかガク君が言ったの!?
うち等合唱部に高校でも合唱部に入ってほしいって!?マジで!?」
ハナの言葉に私は
「…………」
無言でコクン、と頷いた。
口をポカンと開けるハナ。顔を真っ赤にしてうつむく私。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
少しの間お互いに何にも言わないとハナが
「そ、それでアンタ……ガク君に…いいよって言った……の?」
恐る恐る私に聞いてきたので
「………ぅ…ん…」
小さく返事をした
「…………」
「…………」
またお互いに無言になったので私から
「…ガク君が遠くの全寮制の学校に行っちゃったのはハナも知ってるでしょ?」
「う、うん…知ってる…」
「それで…ガク君……部活にもう入っててかなり忙しいらしいの…
入学前から部活に入ってて…毎日練習で土日も休み無しって言ってたの…
だから私とガク君…これから全く会えないの…全然会ってる暇が無いの…」
「あ…あぁ…そうだったんだ…」
それは知らなかった…とハナが言った
「それで…昨日の夜に電話で『流香は部活に入るの?また合唱部?』って
ガク君が聞いてきたから…入らないよ~って言ったら…ガク君が…
『合唱部に入ってよ。俺は歌ってる流香が好きだよ』って言うから…だから…」
最後の方を語るときに私の顔はまた真っ赤になった
「だから?だから何だよ?私達はいらなくね?」
「それでガク君…『合唱部のみんなも合唱部に入ってよ』って…
『そんでみんなで文化祭で歌ってよ。俺見に行くから』って…だから…なの」
話しながら私はまた、真っ赤な顔でうつむいていった
「…………」
「…………」
「……つまり…」
「…………」
私が無言でいるとハナが
「文化祭で…アンタが歌ってるのをガク君に見せるために合唱部を作れ…と?」
「………………」
「久々に会って…舞台の上の姿を…ガク君に見せたい…と?」
「………………」
小さく頷き、ハナの言葉の肯定を私はした
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
また私達が無言になると
「……ったよ…」
ハナが小さく何かを言ったので私は顔を上げた
「え?何?ハナ?」
「分かったよ…合唱部……作ろう」
!!
「本当?本当に?」
「…うん…あんたに……あんた達2人の恋に協力するよ…」
ハナの言葉に私は嬉ししさで胸がいっぱいになり
「ありがとーー!!ハナ大好きーー!!ありがとーー!!」
と抱きついた
「はいはい」
ハナは私の背中をポンポンと優しく叩いた
「嬉しいーよーー!!ありがとーー!!」
「苦しいよ。私はいいけど、あの3人はやってくれるか分かんないよ?
特にサキは難しいね…誰よりももう嫌だ!!って言ってたから…」
ハナから私は離れて
「大丈夫っ!ハナみたいに何とか説得してみるよ。」
私がそう言うと
「まぁ私も手伝うよ…じゃあこれはいらないね」
ハナは部活入部のプリントを机にしまった
そして
「じゃあ帰ろっか?流香」
「うん、帰ろっか」
そういって私達は教室から出て行った
駅のホームで電車を待ってるとき
「ハナ…さっきの話は皆には言わないでね…」
ハナにお願いをした
「ん?なんで?」
「だって……恥ずかしいんだもん…」
また少し顔が赤くなった
「ん~~分かった。言わない。流香は可愛いな~」
「お願いね!?言わないでね!?」
「はいはい。分かりました」
ちょうどその時ハナが乗る電車がやって来た
ハナは私が乗る電車とは逆方向の電車に乗って帰る
「じゃあね流香。じゃあ明日から残りの3人の説得に行こっか?」
電車の中から手を振るハナに
「うん。本当にありがとね。ハナ」
「うん、じゃーね」
ハナを乗せた電車が走り出した。
初恋メロディー 過去巡りその2
初恋メロディー過去巡りのその2です。
ガクの本名…ガクでいいのかな?
それとも本名はガクポ?それともガクト?
でもガクトは中の人…
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