この胸に金の鍵をかけて
塞ぎ込むことができたなら
酸素に腫れた君との記憶も
きっとモノクロームのまま
幸せも不幸せもいらないから
ただ終わらないときが欲しかった
褪せることもなく光ることもない
古びた肖像画のように
寄せ集めの星屑を
飲み干した喉に傷がつく
この耳が銀の錠になって
すべての音を断ち切れたら
錆びて崩れた君の名前だけ
抱き寄せて囁けるのに
この爪を銅の剣に変えて
振りかざすことができるなら
君を遠ざける時の流れも
紙の吹雪にできるのに
この胸に金の鍵をかけて
塞ぎ込むことができたなら
酸素に腫れた君との記憶も
きっとモノクロームのまま
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