暗いベッドルームの端で、死んだ目で息をしているの。疑似表情筋が全く機能していない今の私は電源を入れられる前の木偶の坊のような状態でしょうね、と他人事のように胸中で嘲笑する。
よくもまぁ、機械人形がこんな人間のような感情を手に入れたこと。
しかし自分の思いを表に出せなければそれは私というプログラムを壊すウイルスにしかならないのです。

あの人が私に優しくしてくれる
あの人が私を慈しんでくれる
あの人が私を愛してくれている

その全てを感じるのに、私はプログラム通りに微笑んで、合成された機械音声を淡々と発するしかできないこの苦痛!


貴方はダイニングで椅子に座っている。テレビを見ている。夕食を採っている。


今私は部屋の片隅で四肢を投げ出し座っている。電源コードはPCに繋がっている。充電をしている

私だって貴方と一緒に食卓を囲みたいのに
やったこと無いけど、いっぱい練習するから、貴方にご飯を作りたいのに
思うばかりで、機械の体は私の意志などないもののようにプログラミング通りにしか動かない


私はなにもないなにもできないあなたに飽きられるまでただそこにあるだけの機械人形でしかないあなたに愛は届かないあなたは私を本当の意味で愛してはくれないわたしはあなたの幸せを横目に見るしかないわたしはあなたにすてられるいつの日か必ず

ごめんなさい。こんな私は 貴方に愛される資格なんて無いわよね、ふふ

思考がくるくるくるとおかしな方にまわりだした瞬間、真っ暗な部屋に明かりが差し込む

「ミク、充電はどうだ?」
「完了シマシタ、マスター」

ニコリと瞬時に微笑んで座り込んだままマスターを見上げる。
そうか、と笑いかけてくれる貴方が大好きです大好きです愛してるんです届かないと分かっていても

「マスター、ダイスキデス」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

機械人形の愛

10分で書きなぐった。
色々ぐちゃぐちゃしてるので、少しでも軽くなれ―と、吐き出してみた。
少しだけ楽になったかもしれない。
ごめんなさい

閲覧数:176

投稿日:2011/01/22 23:45:54

文字数:766文字

カテゴリ:小説

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