昔々あるところに
とても我が儘な王女さまがいました
王女さまはお金をいっぱい使って
遊んでばかりいました
そして逆らう人達を
次々と殺してしまいました
あまりの酷さに王女さまは
「悪ノ娘」
と呼ばれるようになりました
人々はお金も食べ物もなくなり
とても困ってしまいました
その時 赤い鎧を纏った女剣士が現れ
「悪ノ娘」に戦いを挑んだのです
激しい戦いの末 ついに女剣士は
「悪ノ娘」を捕まえました
「悪ノ娘」は人々の前で
処刑されることになりました
人々は皆喜びました
だけど 誰よりも笑っていたのは
処刑台にいた「悪ノ娘」でした
彼女は最期にこう言いました
「あら、おやつの時間だわ」
教会の鐘が三回鳴った時
「悪ノ娘」は首を切られました
こうして平和が戻りました
めでたし めでたし―――――・・・
これが この地方で言い伝えられている物語
だけど、これは偽りの話・・・
人々は知らない本当の話は
ある一人の召使と共に
真っ暗な箱の中に入れられています
少し 開けてみましょうか・・・
王女さまの双子の弟・・・
それが召使の本当の姿でした
いつも一緒だった双子は
大人の勝手な都合で引き離されました
しかし彼は一生懸命頑張って
王女さまとなった姉の召使となったのです
その時召使は心に決めました
「例え世界の全てが
君の敵になろうとも
僕が君を守るから
君はそこで笑っていて
君を守る その為ならば
僕は悪にだってなってやる」
召使は仕事で出かけた緑の国で
初めて人を好きになりました
それは綺麗な声と緑色の髪を持った女の子でした
しかしながら 王女さまの想い人である
青の国の王子様もまた
彼女の事を好きになってしまっていたのです
その事を知った王女さまはある日
召使を呼び出して こう言いました
「緑の娘を消してちょうだい」
召使は王女さまの言葉に従い
緑の娘を殺しました
召使の目からはなぜか
涙が止まりませんでした
赤の娘が立ち上がり 革命が起こりました
召使は思いました
もうすぐこの国は終わるだろう
怒れる国民達の手で
これが報いだというのならば
僕は敢えてそれに逆らおう
召使は自分の服を王女さまに渡して
こう言いました
「ほら 僕の服を貸してあげる
これを着てすぐお逃げなさい
大丈夫 僕らは双子だよ
きっと誰にも分からないさ」
王女さまの目の前には 王女さまのドレスを着た
召使の姿がありました
そう 召使は王女さまの身代わりとなったのです
召使は嫌がる王女さまを逃がし
お城へ乗り込んできた人々に向かって
こう言い放ちました
「この、無礼者!」
王女さまの姿をした召使は
処刑されることになりました
処刑台のある広場に集まった人々
その中には あの王女さまの姿もありました
そして終わりを告げる教会の鐘が三回鳴った時
召使は王女さまの口癖だった言葉を
最期に言いました
「あら おやつの時間だわ」
こうして「悪ノ召使」は
「悪ノ娘」として死んでいきました
それから幾月か経った頃
町外れの小さな港に
一人の少女が佇んでいました
その手に
大事な願いを込めた小ビンを持って・・・
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