居なくなる前に…

居なくなる前に抱きしめてよ…

誰かが食べた月を見上げていた
風が涼しい畦道の虫の声に傾いて

知らない旋律の上で体温だけ感じた
死ねない生き物を調べて安心を覚えた

気づかないこころの外側に
近づける何かを探すひとりの夜

居なくなる前に抱きしめてよ
温もりを伝えてよ星にならないで
形を空気に変えてまるごと受け止めるよ
また会えるよね？ここで待っているよ

遺された言葉を指でなぞる真夜中の3時
錆色の空に手を伸ばして見ていたオレンジ

変わらない風景の中で僕だけ取り残されて
透かしたラムネの色と透明なソーダの泡

重ねた日々を胸に置いて
懐かしい場所でさよならの代わりを

居なくなる前に見つけるから
ひとりにしないでよ風にならないで
本当はもっと話したかったんだよ
また言えるかな？大好きの一言を

頑張るから星から僕を見ていて
ちゃんと繋げるから会いに行くから…

居なくなる前に抱きしめてよ
温もりを伝えてよ星にならないで
形を空気に変えてまるごと受け止めるよ
また会えるよね？ここで待っているよ

さよなら、またね、元気でいてね。