―感情を全部殺すの
「ミクは私の親友だよ。」
そう言って、笑う君。
私を『親友』として認めてくれたのは、君が初めてでとても嬉しかった。
だから、君が私を嫌っていたなんて考えてもいなかった。
「ルカって、ミクと仲良いよね。」
「やめてよ。私、あの子が可哀想だから仲良くしてる‘フリ’してるだけなんだから。」
「そうだよね。ルカがあんな地味な子と仲良くしてるって、おかしいよね。」
…嘘。
やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて。
私は信じていたのに。
何がいけなかったの?
もう、ここにはいたくなくて、家まで走って帰った。
君は私の初めての友達で、私が唯一心を許せる相手で。
―私は誰にも心を見せてはいけないの?
痛いよ。苦しいよ。
何も考えたくない。
『私』は傷つきたくない。
君を嫌いになるなんて出来ない。
君が嫌いなのは『私』。
『私』が消えれば、君は私を好きになってくれる?
次の日、君は何事も無かったように『わたし』に話しかける。
「ミク、おはよう。」
「おはよう。」
わたしは、笑顔で答える。
「今日のミクの髪型可愛いね。」
「そんなことないよ。」
今までは、嬉しくて、幸せな気持ちになれた言葉が怖いの。
『私』の心を傷つけて、抉って痛い。
それでも、君に嫌われたくないから。
『わたし』は笑う。
何も気づかないフリをして。
笑っているのは『わたし』。
『私』を殺して、『わたし』になって。
そうすれば、愛してもらえるから。
コメント1
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ご意見・ご感想
禀菟
ご意見・ご感想
いい文才だ(`・ω´・)キリッ
良いなぁ、俺も魔熊みたく上手く書きたいなぁ…
テスト終わったから俺もスッキリ(^▽^)+
2011/07/03 18:57:26